研究課題/領域番号 |
14F04352
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮田 完二郎 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50436523)
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研究分担者 |
PERCHE Federico 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | 核酸医薬送達 / siRNA / P-Body / ペプチドリガンド |
研究実績の概要 |
核酸医薬として期待されるsmall interfering RNA(siRNA)は、細胞質にてargonaute 2(Ago2)と呼ばれるタンパク質と複合体RNA-induced silencing complex(RISC)を形成することで相補的なメッセンジャーRNAの分解を誘導する(RNA干渉として知られている)。一方、Ago2は細胞質においてP-bodyと呼ばれるフォーカスに蓄積していることが知られている。そこで本研究は、siRNAの細胞内動態を制御し、P-bodyへと積極的に集積させることで、RISC形成効率およびメッセンジャーRNA分解効率を促進することができるのではないかと仮説を立て、その仮説を検証することを目的とした。この目的を達成するために、特定のタンパク質に選択的に結合するペプチド分子を搭載したsiRNA封入ナノ粒子の調製を検討した。具体的には、先端にペプチドリガンドを有するポリエチレングリコールとカチオン性ポリアミノ酸からなるブロック共重合体を合成し、siRNAと水溶液中で混合することでポリイオンコンプレックス(PIC)を調製した。次いで、PICを金ナノ粒子表層に担持することで、粒子系約40nmかつ単分散な「ペプチドリガンド搭載siRNA封入ナノ粒子」を調製することができた。ペプチドリガンドとして、インテグリン受容体に結合してエンドサイトーシスを誘起するRGDペプチドを適用したところ、siRNA封入ナノ粒子が効率良く細胞内に侵入することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、ペプチドリガンドおよびsiRNAを搭載した単分散なナノ粒子を調製することができ、また、培養細胞を用いてペプチドリガンドの効果を得ることに成功したため。
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今後の研究の推進方策 |
RGDペプチドリガンドを搭載したsiRNA封入ナノ粒子を構築することで、培養細胞への効果的なsiRNA導入が可能となることが明らかになった。よって今後は、P-bodyに結合すると考えられるペプチドリガンドをナノ粒子表層にさらに導入することで、細胞内に移行したナノ粒子がP-bodyに集積することができるかどうかを検証する。
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