研究課題
本研究では、蛍光効率が高い半導体ナノ粒子である量子ドット(QD)を分子ビーコン(MB)にカップリングした分子ビーコンプローブを作製し、ターゲットウイルスの相補的遺伝子配列を検出することでウイルスの高感度検出を試みた。【研究方法】界面活性剤、安定剤、キャッピング剤を用いた有機金属の熱分解に基づくホットインジェクションにより高結晶性のQDを合成した。バンドギャップ合金の場合、Se/Sの比を調製し、thiol-capped CdZnSeS/ZnSexSy QDを構成した。可溶性チオルキャッピング剤を用いたリガンド交換反応によりQDの疎水性表面を親水性表面に変え、QDの表面を機能化した。QDとMBとは、N-(3-dimethylaminopropyl)-N′-ethylcarbodiimide hydrochloride/N-hydroxysuccinimideを用いて共有結合で結合した。本研究では、検出ターゲットウイルスに適したQD-MBプローブを作製するため、異なるQDとMBを設計し使用した。【結果】1)合金CdZnSeS/ZnSe1.0S1.3 QDをインフルエンザウイルス(H1N1)の検出に用いた。H1N1 RNAを2コピー/mLレベルまで検出が可能であった。本結果を検証するために、従来のCdZnSeS QD-MBプローブを用いて検出した結果、12倍高感度であることが明らかになった。2)合金CdZnSeS QDをチオグリコール酸でキャッピングし、量子効率92%の高蛍光強度を持つQDを合成した。また、SiO2をコーティングした合金SiO2-coated CdZnSeS QDを合成したところ、極めて高い量子効率98%を得た。ノロウイルスのRNAを検出したところ、緩衝液中では9.3コピー/mL、ヒト血清中では8.2コピー/mLの検出感度を得、検出の汎用性が認められた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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