研究課題/領域番号 |
14F04359
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡部 平司 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90379115)
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研究分担者 |
CHANTHAPHAN Atthawut 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | 電子・電気材料 / パワーエレクトロニクス |
研究実績の概要 |
シリコンカーバイド(SiC)は、従来のシリコン半導体に代わるパワーデバイス用材料として注目を集めている。近年、SiC基板の製造技術や結晶成長技術が発展し、SiCショットキーバリアダイオードの優位性実証と実用化・普及が進みつつある。一方、スイッチングデバイスとしては、回路応用の観点からnormally-off特性を有したSiC-MOSFETの普及が強く望まれている。しかし、SiC-MOSデバイスでは、絶縁特性、界面電気特性ならびに長期信頼性に優れたゲート絶縁膜作製技術の確立には至っておらず、物性解析に基づいた絶縁膜形成技術や界面物性評価手法の構築が急務となっている。本研究では、物性情報に基づいた高性能SiC-MOSデバイスの研究開発に取り組んでおり、申請書記載の当初の研究計画に従って、平成26年度では以下の研究成果を得た。①SiC-MOSFET高機能化に向けたゲート絶縁膜開発として、窒素添加アルミナ(AlON)絶縁膜について閾値電圧安定性を評価し、その優位性を示すと共に、当該領域を代表する学術論文(Applied Physics Letters)に論文を発表した。②熱酸化SiO2/SiC界面の構造欠陥や、高温後熱処理による界面構造変化の様子を物理分析から明らかにすると共に、MOSキャパシタの電気特性評価からもその効果を検証した。③研究室内での連携研究を通じて、熱酸化SiO2/SiC界面のカソードルミネッセンス評価を実施し、SiC-MOS界面に特徴的な発光性の構造欠陥の存在を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
博士論文提出後も継続的に実験を進め、特別研究員に採択後の研究テーマを切れ目なく立ち上げることができた。その結果、「研究実績の概要」中の②に示した研究成果を短期間で得た。
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今後の研究の推進方策 |
高性能SiC-MOSFET実現において界面電気特性や信頼性に優れたMOS界面の実現が必要不可欠であり、次年度以降もMOS界面の特性改善技術や信頼性に優れた絶縁膜材料の開発に重点を置く。加えて、MOSFET試作に向けてのプロセス構築を順次進める予定である。
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