研究課題/領域番号 |
14F04363
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
武居 昌宏 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90277385)
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研究分担者 |
YAO JIAFENG 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | マイクロ流路 / 微小電極 / 4D計測 / 画像化 / 電荷 / 誘導特性 / 細胞分離 / 電気運動 |
研究実績の概要 |
細胞の3Dマニピュレーションをラベルフリーで実現するために、正方形な5断面、40電極を設けたマイクロ流路を新しく作製した。流路内部の電極に印加することにより、流路内の液体および細胞に電気力を付与し、特異細胞の分離を行った。 具体的内容: (1) 2種類の電気的特性が異なるMRC-5Wild type細胞 (線維芽細胞ワイルドタイプ)、細胞質内に負電荷を有するGFPが発現したMRC-5 GFP expressing type細胞を用意した。それら電気的特性の異なる2種類の細胞をD-PBSに懸濁し、2種類の細胞懸濁液を作成し、それぞれの細胞懸濁液をマイクロ流路内に充填させ、誘電泳動力を利用して、マイクロ流路内電極へ交流電圧を印加したときの細胞挙動をPIV計測した。 (2)電気力学的な微粒子運動理論を用いて、細胞の運動特性のシミュレーションを行なった。初めに2種類の電気的特性が異なる細胞のクロスオーバー周波数を計算し、操作に適した周波数を求めた。求めた周波数で交流を印加した場合の四つの電気力、すなわち、熱浮力、電気熱力、電気浸透力、および、誘電詠動力についてシミュレーションを行なった。その結果、熱浮力が支配的な動力源であることを確認した。また、誘電詠動力の違いが運動速度に影響することも確認した。これらの結果は、マイクロ流路を用いた細胞分離の際の基礎原理として広く応用できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
マイクロ流路内5断面を利用して、3D計測ができた。また、マイクロ流路で3D細胞計測結果を用いて、誘電泳動力を利用して、3D細胞分離ができた。誘電泳動力によって電気特性が異なる細胞を分離させるシミュレーションを行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では特異細胞を混合したときの断面計測を行う。多数電極の印加周波数、電圧、電流を制御し、4D効率的な細胞分離を行う。
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