研究課題/領域番号 |
14F04378
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
平島 剛 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00175556)
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研究分担者 |
MOHAMED Ahmed 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | 選択分離 / ぬれ性 / 表面改質 / 浮選 |
研究実績の概要 |
黄銅鉱及び輝水鉛鉱試料から純粋鉱物を分離し、基礎試験に使用するため、粉砕後、手選により高純度鉱物を回収した。その後、各鉱物のXRD、XRF、SEM、XPS、接触角、ゼータ電位測定、粒度ごとの化学分析などを行い、基礎的なデータを得た。 上記純粋鉱物を用い、各種酸化法による表面改質の実験を行った。表面電気化学的処理では、酸化及び還元処理で黄銅鉱の接触角は低下し、親水化すること、輝水鉛鉱は若干接触角が低下するものの比較的大きい接触角を示し、疎水性が維持されることが分かった。処理前後の表面のレーザ顕微鏡による表面画像観察(カラー画像と3D画像)及び原子間力顕微鏡(AFM)結果では、黄銅鉱表面は処理前後で大きく異なるものの輝水鉛鉱表面は処理前後でほとんど変化が認められなかった。また、輝水鉛鉱は水洗いにより一部の処理条件では処理前と同様の強い疎水性を示すようになった。なお、三電極方式電解セルを用いた電位走査実験から、黄銅鉱、輝水鉛鉱のエッジ部分、輝水鉛鉱の表面部分の順に電流が流れにくくなることから、その順に反応性が低いものと考えられた。鉱物表面をオゾン酸化処理した場合にも、表面の親水化に類似の傾向が認められた。 各鉱物を研磨し、浮選剤等により表面処理し、高速度カメラにより静止研磨鉱物への気泡の衝突・付着挙動、付着後の接触角の経時変化について測定した。また、一部の表面処理条件では、原子間力顕微鏡(AFM)を用い微小表面の変化を観察するとともに、微小表面の濡れ性変化をフォースカーブ等の測定により評価した。気泡の付着現象は、表面改質条件で大きく異なり、その後の接触角の経時変化にも影響することが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究実施計画をおおむね順調に終え、一部予定以上の成果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も低コストの黄銅鉱と輝水鉛鉱の分離のために、各種基礎試験を行い、新規な分離方法、その条件、メカニズムを明らかにし、銅、モリブデン等の低コスト、高効率分離回収法の開発を目指す。
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