研究課題
黄銅鉱、モリブデナイトの研磨鉱物試料をA型、B型、C型、D型捕収剤のうちの1種類を用いて条件付与し、それぞれの場合の接触角測定を行った。モリブデナイト表面の接触角はすべての捕収剤で増大する傾向を示した。一方、黄銅鉱の接触角は、これらの捕収剤で単独ではほとんど影響を受けないということが明らかになった。C型とD型の2捕収剤を用いて表面処理した場合、添加量の比がC:D=6:5の時に接触角が最も高くなる傾向が認められた。また、C型、D型の捕収剤の添加順序について検討を行った結果、C型添加後にD型を添加した結果は、C型、D型捕収剤の同時添加の結果とほぼ同様な結果が得られた。一方、D型を添加した後にC型を添加した場合には、低い接触角を示した。D型捕収剤の吸着断面積は広いが疎水基の長さが短いため、疎水基の長いC型捕収剤が吸着できず、鉱物表面は低い接触角を示したものと思われる。浮選前にモリブデナイトと黄銅鉱試料のマイクロウェーブ処理を行った。浮選は、捕収剤無添加、pH 6、起泡剤濃度10 ppmで行った。モリブデナイトは、マイクロウェーブ処理前後で類似(約100%の回収率)の結果であった。黄銅鉱回収率は処理前に88%であったが、処理後に0%となった。モリブデナイト表面に生成した酸化物は水洗により溶解し疎水化し浮遊するが、黄銅鉱表面に生成した酸化物は水洗では溶解しないため親水化し、浮遊しなかったと結論づけられた。以上の結果から、浮選前のマイクロウェーブ処理はモリブデナイトと黄銅鉱の浮選分離の前処理として有効であることが明らかになった。また、マイクロウェーブ処理により、黄銅鉱の磁化率は上昇するがモリブデナイトの磁化率は変化しないことから磁選により両者の分離が可能となることが明らかになった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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