研究課題/領域番号 |
14F04380
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福山 淳 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60116499)
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研究分担者 |
KHAN Shabbir 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | プラズマ・核融合 / 計算物理 / 波動伝播 / 粒子運動論的効果 |
研究実績の概要 |
短波長である電子サイクロトロン周波数帯波動の大規模伝播解析を行い,空間的に局在した波―粒子相互作用を取り入れて加熱・電流駆動解析を行うためには,積分形誘電率テンソルを用いた波動伝播解析コードを開発する必要がある.今年度は,粒子軌道に沿っての時間積分から積分形の誘電率テンソルを導き,有限要素法を用いた1次元波動伝播解析コードに適用した.まず,最も簡単な場合として磁場のない不均一プラズマにおける電磁波の共鳴吸収の運動論的解析を行い,従来の衝突のある冷たいプラズマでの解析との比較を行った.吸収率の差は小さいが,吸収パワー密度の空間分布は大きく異なることが示された.次に,不均一磁場中のサイクロトロン吸収の解析に適用し,サイクロトロン共鳴近傍の吸収分布が求められた.さらに,有限ラーモア半径効果を取り入れた誘電率テンソルを用いて,電子バーンシュタイン波へのモード変換の解析を行った.一方,マクスウェル速度分布の場合だけでなく,任意の速度分布関数に適用するための定式化をおこなった.この手法は速度分布関数の時間発展を含めた自己無撞着な加熱・電流駆動解析に不可欠な要素である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
来日してから4ヶ月足らずであるにもかかわらず,有限温度の効果を取り入れた1次元波動伝播解析の結果を Sherwood 核融合理論会議で発表することができた.任意の速度分布関数に対する積分形誘電率テンソルへの拡張も順調に進められている.しかしながら,計算コードへの実装はやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
積分形誘電率テンソルを用いて運動論的効果を取り入れた波動伝播解析を2次元に拡張するとともに,トカマク統合モデリングコードTASKに組み込み,加熱・電流駆動解析を可能とする.さらに自己無撞着な解析を行うため,任意の速度分布関数に対する積分形誘電率を求めるとtもに,積分形の準線形速度拡散係数の導出を行い,統合コードに組み入れ,加熱・電流駆動の定量的評価を実現する.
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