研究課題/領域番号 |
14F04396
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
坂本 崇 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (40313390)
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研究分担者 |
MAJHI Sullip 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | 生殖細胞移植 / 希少種保全 |
研究実績の概要 |
本研究では、有用水産魚類の効率的種苗生産や絶滅危惧種および希少種の保全・資源回復の技術開発の一環として、成熟可能な発生段階にあるレシピエント(成魚)の生殖腺にドナー由来の生殖細胞を移植し、レシピエントからドナーの配偶子を得るまでの時間の短縮化を図る。具体的には、内因性生殖細胞を消失した成魚レシピエントの効率的作出法、および、カニューレを用いた生殖孔からの生殖細胞移植技術の確立を目指している。平成26年度ではまず、内因性生殖細胞を持たないレシピエントの効率的作出法を確立するために、本研究のモデル魚種の一つであるメダカ成魚に対し、高水温処理(38℃下で4、8週間)とDNA複製の阻害剤(Busulfan)処理(0週目と2週目、または0週目と4週目の各2回注射)の併用による不妊化の効果を比較した。その結果、4週間処理区では、生残率が8週間処理区より有意に高く、生殖腺組織切片の観察結果から、雄では処理個体の約60%、雌では約40%が完全な不妊状態になることが明らかとなった。次に、この不妊レシピエントの生殖孔より、カニューレを用いて蛍光標識したドナーペヘレイの精巣由来の精原細胞を移植した。移植の成功を裏付けるためには、レシピエントの生殖腺における移植細胞の移動・生着・増加・分化(配偶子形成)を経過観察し、得られた配偶子がドナー由来生殖細胞であるかを遺伝子レベルで鑑定する必要がある。本実験では、移植8週間後に移植細胞を蛍光顕微鏡下で観察したところ、蛍光標識された移植細胞の増殖が確認された。さらに、移植3ヵ月後に移植を施したレシピエント生殖腺からDNAを抽出し、PCR法によりドナー生殖細胞特異的なvasa遺伝子の検出を試みたところ、雌雄のレシピエント生殖腺において陽性反応が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究着手から半年ほどの短い期間にも拘らず、不妊化したレシピエントの作出法や生殖孔カニューレによる生殖細胞移植技術の確立など、実施予定の課題については確実に成果を挙げ、本研究成果を学会発表することができたことから概ね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
現時点では、特に推進方策の変更が必要はないと判断しており、概ね当初計画の通り実施する予定である。
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