研究課題
高度好熱菌Thermus thermophilus HB8より見出した好熱菌mitoNEETホモログ(TthNEET)は、特異な[2Fe-2S](His)1(Cys)3クラスターをもつ。TthNEETの「レドックス制御機構」を調べるため、鉄硫黄クラスター近傍に位置し、酸化還元電位に影響する保存性残基に着目し、それらの変異酵素等の結晶構造解析(構造精密化)を行った。これらの変異酵素の相同置換株を作成したところ、当初の予想に反して、いずれもTthNEET欠損株が示す「グルコース感受性生育阻害」を相補したことから、少なくともこの表現型については、TthNEET鉄硫黄クラスター中心のレドックス反応とは直接相関しないことが示唆されている。構造解析の結果、変異導入による構造変化は非常に局所的であり、全体構造にはほとんど影響がないことを確認した。これは変異酵素導入株における表現型解析の結果と矛盾しない。TthNEETにつきpulldown assayを検討したが、相互作用が弱いためか実験条件設定の問題かは不明だが、有為なパートナー酵素を同定することはできなかった。そこで野生株とTthNEET欠損株につき、二次元電気泳動と質量分析によるプロテオーム解析を行い、有為な変化を検出・同定できた。その他、TthNEETにつき、詳細な物理化学解析とシミュレーション解析を行い、国際学会等で成果発表した。今後はより精密な解析を行い、TthNEETの生理機能の解明に繋げたいと考えている。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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