研究課題/領域番号 |
14F04713
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
寺野 隆雄 東京工業大学, 総合理工学研究科, 教授 (20227523)
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研究分担者 |
JAFARI SONGHORI Mohsen 東京工業大学, 総合理工学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | ABM / エージェント・ベース・モデリング / 意思決定組織 / 複雑適応系 / 組織構造 / 社会シミュレーション / 国際研究者交流 / オーストラリア |
研究実績の概要 |
企業組織の意思決定においては、組織の構造とその企業をとりまく環境の影響が非常に大きいことが知られている。本研究においては、この問題を近年研究の進捗が著しい複雑適応システムの観点から捉え、構成員・企業組織・外部環境の相互作用のメカニズムを明らかにするものである。本研究では、この目的で、1.エージェント・ベース・モデリング(ABM)に基づくコンピュータシミュレーション、2.アンケートとヒアリングによる日本の代表的な企業の事例調査、ならびに、3.企業間取引きの複雑ネットワーク分析という3つの手法を統合して用いる。 項目1については、モデルに組み込むべき組織の意思決定と階層構造についてシミュレーションモデルを開発した。これは、複雑系におけるモジュール化の概念をサプライチェーンの効率向上に役立てること、ならびに、組織構造と製品開発の両方にまたがる決定空間の性質を分析することを目的とする。この理論的な基礎は、KaufmannによるNKモデルに基づく。 項目2については、日本企業の事例調査研究を実施する準備として、企業組織における意思決定構造に関する文献調査を実施し、組織のシミュレーションモデルを構築するための手法について、組織学習とインセンティブ管理について知見を得た。 項目3については、過去数十年にわたる大量の企業間取引きデータベースを利用するための基礎調査を行った。この課題は、ビッグデータ領域の研究としても新規性が高い。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献調査ならびにABMシミュレーションシステム開発は予定通り進展しており、(1)エージェント・ベース・モデリングに基づくコンピュータシミュレーション、ならびに、(3)大規模企業取引きの複雑ネットワーク分析の2項目については、当初の計画以上の進展が見られた。その一方、平成26年度の研究成果の発表ならびその準備に研究時間を重点的に配分した結果、項目(2)アンケートとヒアリングに基づく日本の代表的な企業の事例調査については、十分な結果を得ることができなかった。今後は、項目(2)と(3)とを関連付けて研究を継続する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は本研究提案の中心年度であり、以下の3項目について研究目標の達成をめざす。項目1:エージェント・ベース・モデリングに基づくコンピュータシミュレーション:組織学習指向型分類子システム・NKCSモデル・タグモデルなどと提案者による組織モデルとの融合を試みる。ABMシミュレーションシステムを開発し、企業組織の形態と意思決定方法の違いについて定量的な分析を行う。このような分析にあたっては大量のモデルパラメタの最適化とシナリオ生成・分析の方法とを工夫しなければならない。この作業を実施する目的で計算能力に優れたシミュレーション向けのワークステーションPCを導入する。また関連書籍の購入を予定する。項目2:アンケートとヒアリングに基づく日本の代表的な企業の事例調査: 事例調査としての企業アンケートを実施する。我々はWEBアンケートの手法を熟知しており、最近、我々が開発したペルソナ・コンジョイント法を適用する。また、この作業を実施する目的で調査分析用のノートPCとデータ分析用のデスクトップPCを導入する。なお、本項目については、筑波大学の経営システム科学専攻のメンバと共同して効率的かつ効果的に研究を進める。項目3:大規模企業取引きの複雑ネットワーク分析: 大規模企業間取引きデータの分析を開始する。これについては本専攻に設置された共同研究講座のメンバと協力する。よってビッグデータを利用するものの特別な計算設備は不要である。これらの研究成果は国際会議で発表する予定である。
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