本研究は戦前の東京を拠点とした「映画製作所P・C・L」の発展について、平成28年4月から平成28年10月までの6ヶ月間に行った研究実績の概要は以下の通りである。 *キュレーターとして東京国立近代美術館ーフィルムセンターとコラボレーションし、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に日本の映画プログラムを企画し実施した。プログラムを紹介するため現地に行った。 *海外出版社Amsterdam University Press社が発刊する論集「The Culture of the Sound Image in Prewar Japan」を共同編集し、この論集に掲載するP・C・L製作のサウンドに関する主な調査結果をまとめて論文を書いた。(アクセプト済み) *P・C・Lが1930年代半ばから日本映画界の製作制度、いわゆる映画プロダクション・システムにどのような影響を与えたかについて調査研究を行った。特にP・C・Lのプロデューサーであった森岩雄と渾大防五郎の役割を考察し、海外出版社Wiley Blackwell社が発刊する論集「A Companion to Japanese Cinema」に掲載する論文を書いた。(アクセプト済み) この映画プロダクション・システムとP・C・Lの映画製作制度に研究対象を絞るため、P・C・L映画がどのように都会を描写したか、とりわけ木村荘十二監督作品からの考察は平成28年度から着手することにした。
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