研究課題/領域番号 |
14F04781
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
杉本 慶子 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (30455349)
|
研究分担者 |
FRANCIOSINI ANNA 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
キーワード | 細胞成長 / 翻訳語修飾 / ユビキチン / シロイヌナズナ / COP9 |
研究実績の概要 |
ユビキチン化によるタンパクの分解制御(ubiquitin proteosome sysmtem, UPS)は真核生物の翻訳後修飾のひとつとして非常に重要である。UPSのひとつであるCOP9は植物においては光応答、細胞周期を始めとする多様な過程を制御するが、その具体的なメカニズムは分かっていない。私達はこれまでにCOP9の下流で機能するF-boxタンパク(CFK1)がシロイヌナズナの胚軸の細胞成長を制御することを見いだし、CFK1がSCF複合体の一部としてSkp1, Cullinとともにユビキチンリガーゼとして機能することを示した。本研究では、CFK1によってユビキチン化される基質タンパク質の同定を試み、COP9-CFK1を軸としたシグナル経路が細胞成長を制御する分子機構を明らかにすることを目的としている。さらにCFK1が植物の普遍的な細胞成長を制御するかどうかを明らかにするため、葉や根などの他の器官においても同様の機能を果たすかどうかを検証する。今年度はCFK1と98%のアミノ酸相同性を示すCFK2の変異体、及びcfk1 cfk22重変異体の作成を進めた。この二つの遺伝子はゲノム上で近傍にあるため、CRISPR-Cas9によって単独、2重変異体の作成を行い、これまでに5系統以上の2重変異体の作出に成功した。現在T2世代の植物を用いて両遺伝子の発現量を確認するとともに、表現型観察を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
cfk1単一変異体の表現型が弱いため、これまで胚軸以外の表現型を解析するのが難しかったが、安定した2重変異体の作出に成功し、植物体全体の表現型観察が可能になったため。またCFK1, CFK2の発現が環境条件によって変化することも見いだすことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
現在進めている光や温度等の環境ストレス下での表現型解析をまとめ、10月までに論文投稿する。
|