研究課題/領域番号 |
14F04785
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
和田 忠彦 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50158698)
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研究分担者 |
BARBIERI Francesco 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | 比較文学 / 越境 / 複数言語使用 / 語圏横断 / 世界文学 / 文学市場 / イタリア語文学 / 日本語文学 |
研究実績の概要 |
本研究は文学作品が越境的もしくはグローバルな市場において、どのような力学のもとに生産され、流通し、受容されるかについて、特に日伊両国の文学市場に焦点をあて語圏横断劇な比較文学研究として考察するものである。とりわけその受容から流通に際して作用する力学に着目するため、外国人特別研究員である補助研究者にとって、当該の国内研究者との交流および意見交換が、きわめて有効であると考えられる。 この観点から、3月19・20日両日、本学(東京外国語大学)において開催した「世界文学・語圏横断ネットワーク第2回研究集会」への参加は、当初の予定どおり、補助研究者はもちろん本研究自体にとって、最良の舞台となった。研究代表者とともに運営に携わるとともに、研究代表者が主宰し司会を務めたシンポジウム「世界文学と(しての)日本文学」は、補助研究者に多大な示唆をもたらしたものと認識している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
補助研究者の来日が11月末と遅く、実質的な研究期間は4ヵ月であったため、当初より、主として研究対象とする作家と作品をめぐる市場力学について分析考察する計画であった。必要な主要関連書籍はあらかじめ研究代表者が準備してあったので、資料の整理等のために補助研究者にはあらたにパソコンを購入させるにとどめた。そのうえで、本研究の方針および計画を入念に再検討しつつ必要な修正を加えた。また補助研究者には積極的に国内の研究者との交流および資料収集を促し、国内旅費を支出した。また、3月末、研究代表者が発起人を務める「世界文学・語圏横断ネットワーク」による第2回研究集会に補助研究者を参加させ、上述のごとく、新年度以降の成果発表の準備を進めさせた。以上の点から、概ね当初の計画通り研究は進捗していると認識している。
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今後の研究の推進方策 |
補助研究者には積極的な成果発表を促すとともに、前年度同様、国内の研究者との打合せもしくは資料収集に当たらせる。また国外の研究集会もしくはシンポジウム等において、国外の研究者との意見交換の機会も設け、研究の相対化に努めさせたい。 具体的には、5月開催予定の美学・比較文学関連シンポジウム(於ボローニャ大学)の聴講、また9月開催のイタリア日本学会(カターニア大学)およびイタリア比較文学会(フィレンツェ大学、11月)における成果発表により、検証を試みさせる。その際、あわせてドイツ、フランス、イタリア在住の研究対象とする作家にインタビューを行わせたい。
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