研究課題/領域番号 |
14F04795
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
澤本 光男 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90150325)
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研究分担者 |
BROOKS Paul 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | 高分子 / 重合 / 配列 / 機能性高分子 / ラジカル重合 / リビング重合 / スチレン / ハロゲン |
研究実績の概要 |
本研究では,連鎖機構で進行するビニルモノマーの重合に対し,リビング重合で用いられるドーマント種の可逆的活性化を最大限に活用し,逐次的に成長させることで一分子付加制御,さらにその繰り返しによるシークエンス制御を目指す。そのために,解離基,モノマーの側鎖置換基,触媒,鋳型を包括的に設計し,ドーマント種の可逆的活性化を極限に操ることを目指す。さらに,側鎖の機能基を設計することで,シークエンス機能の発現に展開する。 本年度は,配列の制御されたポリスチレンの合成を目指した。ドーマント種となる炭素ハロゲン結合の反応性の違いを利用して,スチレンの一分子ラジカル付加を制御し,ハロゲン交換によってその反応を繰り返すことでシークエンス制御を目指した。しかし,種々の検討から定量的にハロゲンを交換することが難しいことがわかった。そこで,別のアプローチによる検討を開始した。申請者が過去に見出したα(トリメチルシロキシ)スチレンによるラジカル停止反応に着目し,これで生成するケトンを還元してアルコールに,さらにハロゲンに変換することで,スチレン系ハロゲン末端を生成し,これを繰り返すことでスチレンモノマーの配列制御を目指した。これまでに定量的なラジカル停止反応を実現し,現在ケトンからアルコールの定量的還元反応を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ドーマント種の反応性の違いに着目して,ハロゲン交換を利用する検討は断念したが,α(トリメチルシロキシ)スチレンを用いてラジカル停止反応を利用するアプローチは可能性が高く,今後の展開が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
ケトンからアルコールへの還元反応,アルコールからハロゲンへの反応を定量的に進行させ,他の結合がこれらの影響を受けないように反応剤を設計する。また,各プロセスの精製効率を上げるために,ポリマー鎖への担持を検討する。これにより,貧溶媒による再沈殿で精製が可能になる。
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