本研究では,連鎖機構で進行するビニルモノマーの重合に対し,リビング重合で用いられるドーマント種の可逆的活性化を最大限に活用し,逐次的に成長させることで一分子付加制御,さらにその繰り返しによるシークエンス制御を目指す。そのために,解離基,モノマーの側鎖置換基,触媒,鋳型を包括的に設計し,ドーマント種の可逆的活性化を極限に操ることを目指す。さらに,側鎖の機能基を設計することで,シークエンス機能の発現に展開する。 平成28年度は,ジフェニルエチレン誘導体による位置機能化を検討した。ジフェニルエチレンはそのかさ高さから単独重合は難しいが,付加反応で生成する炭素ハロゲン結合はラジカル生成に活性がある。この特徴を活かして,高分子の位置機能化を検討した。結果として,ジフェニルエチレン誘導体の末端導入には成功したが,ここからの再開始制御が困難であった。
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