研究課題/領域番号 |
14F04916
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
徐 開欽 独立行政法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 室長 (20250722)
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研究分担者 |
ZHEN Guang-Yin 独立行政法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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キーワード | 水処理派生残渣処理 / 微生物電気分解 / バイオメタン / CO2固定 |
研究実績の概要 |
嫌気性膜分離法は、曝気が不要かつ汚泥発生量も好気性処理よりも小さく、また好気性処理に匹敵するBODとSS濃度が得られるので、活性汚泥法に代わる有望な技術として期待されている。しかし、嫌気性処理は窒素リンの除去機能がない点、鉄・コバルト・ニッケル等重金属の要求性が高いこと等から、流出液は豊富な栄養を含んでいる。本研究は、後処理の派生バイオマス(活性汚泥法の余剰汚泥および植栽浄化の余剰バイオマス)の再資源化および消化液および消化ガス後処理としての微生物電気分解法(Microbial Electrolysis Cell(MEC))の検討を行った。まず水質浄化植物の刈り取り残渣との混合発酵の検討を行った。最適な混合比率は汚泥: 植物が7: 3で、その条件の下で汚泥単独で発酵する場合よりも20%のメタン収率の増大が確認された。また、植物の混合は有機酸の蓄積やフリーアンモニアの抑制等の運転の安定化にも寄与することが明らかとなった。次に、MECの基礎的な検討を行った。バイオガスに見立てCO2を陰極気相に封入しリアクターの陰陽極槽間の電位差を0.5から1.2Vまで変動させて実験を行い、0.9Vの下で最適なファラデー効率(24%)でのメタンへの変換が行われることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
関連する論文がすでに2報掲載できたことから、十分進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
まずはMECの処理効率化のための電極への微生物付着量の増大を試みる。また、より実際に近い実験系でMECの性能を評価するため、栄養源として実際の消化液を、CO2源としてメタンを含むバイオガスを使用する。一方、メタン発酵自体の効率化にも焦点を当て、Ti/RuO2 mesh electrodesおよび電圧印加能を備えたメタン発酵槽を作成し、難分解性のバイオマス(余剰汚泥、植物残渣)の分解性の向上を図る。
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