研究課題/領域番号 |
14GS0211
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
河合 誠之 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (80195031)
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研究分担者 |
細谷 暁夫 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (80028258)
松永 三郎 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (00222307)
渡辺 潤一 国立天文台, 天文情報公開センター, 助教授 (50201190)
太田 耕司 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50221825)
吉田 篤正 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (80240274)
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キーワード | ガンマ線バースト / X線天文学 / 光学天文学 / X線検出器 / 科学衛星 |
研究概要 |
本研究の目的は、γ線バーストの発生直後に光学・赤外残光を観測することによって、バーストの原因となる超相対論的ジェットの発生機構や、太古の宇宙における大質量星生成の歴史を探ることである。我々は、swift衛星によって検出されたγ線バーストGRB050904の残光の「すばる望遠鏡」による分光観測に世界で唯一成功し、赤方偏移6.3、すなわち距離128億光年にある観測史上最遠のγ線バーストであることを明らかにした。、また、そのスペクトルに見られる水素ライマンα吸収端の解析から、z=6.3の宇宙ですでにほとんどの銀河間物質は電離しているという、宇宙の再電離に関する重要な知見を得た。一方、各種元素の吸収線は、γ線バースト源が重元素に富む密度の高い領域で起きたことを示している。この他にも、HETE-2やSwift衛星の位置通報にもとづき、すばる望遠鏡による短いγ線バーストの残光の観測を行なった。これらの結果はNature等の学術誌や国際会議で発表した。国内では、岡山および明野に設置した口径50cmの専用望遠鏡用の3色同時撮像カメラを製作し、2個所でガンマ線バースト残光の観測を行っている。GRB060115は世界に先駆けて岡山の望遠鏡で撮像に成功した。 また、地上に迅速にγ線バーストの位置を通報するための小型衛星の開発の第一歩として、小型軽量という特徴をもつAPDを用いた放射線検出器を開発し、主に学生の手で設計・製作された超小型衛星"Cute 1.7+APD"に搭載して、JAXA M-V8号機ロケットのサブペイロードとして2006年2月22日に打ち上げ、無事にロケットからの分離と地上との交信に成功した。今後APDのデータを取得していく。
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