研究課題/領域番号 |
14GS0321
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
角谷 徹仁 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助教授 (20332174)
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研究分担者 |
荒木 崇 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00273433)
柴原 慶一 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助教授 (20263098)
木下 哲 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助手 (60342630)
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キーワード | エピジェネティック / DNAメチル化 / シロイヌナズナ / 染色体 / ヘテロクロマチン / ヒストン / トランスポゾン / 胚乳 |
研究概要 |
(1)エピジェネティックに発現を制御され、開花時期に影響する遺伝子FWAの転写産物を野生型で調べた結果、驚いたことに、これが胚乳で特異的に発現し、かつインプリントされた発現をすることがわかった。DNAメチル化酵素遺伝子MET1の突然変異体を用いることで、FWAの組織特異的発現、インプリントされた発現は哺乳類のインプリントされた遺伝子と同様にDNAメチル化が必要であることが明らかになった。さらに、この遺伝子の雌性配偶体の中央細胞に特異的な発現には、DNAグリコシラーセ遺伝子DEMETERが必要であることがわかった。(Science 303,521-523)。 (2)シロイヌナズナのDNA低メチル化突然変異ddm1で高頻度の転移をするトランスポゾンCACTAを見出している。このトランスポゾンの自然界での挙動を知るため、自然集団でのこのトランスポゾンの分布と、ddm1突然変異下での挿入箇所の分布を調べた。その結果、自然集団中では、このトランスポゾンはセントロメア近くのヘテロクロマチン領域に分布するのに対して、ddm1突然変異化の転移はこのような偏りのないことがわかった(MGG270,524-532)。また、このトランスポゾンは野生型においても、ヘテロクロマチンに偏った転移を示さなかった(原稿準備中)。自然界におけるこのトランスポゾンの分布形成には、何らかの自然淘汰機構が働いていると考えられる。現在これを検証する実験を行っている。 (3)DNAダメージに対する感受性の上昇した突然変異体bru1において、転写レベルでの遺伝子発現抑制が解除されることがわかった。また、この突然変異体では、DNAメチル化は変化しないがヘテロクロマチン形成に影響が出ることがわかった(Genes & Development印刷中)。
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