研究課題
エボラウイルスは感染するがマールブルグウイルスは感染しないヤエヤマオオコウモリ由来の細胞株であるFBKT1細胞のフィロウイルスの感染性の差を規定している宿主因子の同定することを目的として実験を行った。FBKT1細胞を免疫原としたモノクローナル抗体を作出した。作出したモノクローナル抗体、約2000株のうち、FBTK1細胞へのフィロウイルスの感染を阻害すると考えられる抗体をスクリーニングした結果、4株のモノクローナル抗体が得られた。これら4株のモノクローナル抗体を用いて、Expression Cloningを行うことでFBKT1細胞上に発現する、フィロウイルスの感染性の差を生み出す分子を特定することができると考えられる。またFBKT1細胞にフィロウイルスに感受性を持つVero E6細胞由来のFusion factorであるNPC1を発現させたところ、エボラウイルスのGPのを持つ水胞性口炎ウイルス (VSV) シュードタイプは感染性が増強し、マールブルグウイルスのGPを持つVSVシュードタイプは感染性を獲得した。現在はFBKT1細胞からNPC1の相同遺伝子のクローニングを実施している。フィロウイルスの疫学調査のため、ザンビア、フィリピンで採取したコウモリおよびブタのサンプルを用いて抗体保有状況の調査およびウイルス遺伝子の検出を行った。フィロウイルスのGPに対して特異的な抗体を検出することができたが、ウイルス遺伝子の検出には至らなかった。今後も疫学調査を継続して実施していく必要があると考える。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 産業財産権 (1件)
Scientific Reports
巻: 6 ページ: Online
10.1038/srep20514
Virology
巻: 488 ページ: 43-50
10.1016/j.virol.2015.11.002
PLoS One
巻: 10 ページ: Online
10.1371/journal.pone.0137989