平成26年4月1日より京都大学防災研究所にて「環境発電システムを持つ構造制御制御手法の構築」のテーマに取り組み始めた。ここでは、当該分野に関する文献調査を中心に行った。また、従来のTMD (Tuned Mass Damper)を取り付けた建築物における地震動による入力エネルギー、吸収エネルギーの検討を行った。
9月1日より、研究拠点を米国ミシガン大学へと移し、エネルギーハーベスティング技術の建築、土木構造物への応用に取り組み始めた。振動エネルギーを電気エネルギーへと変換可能transducerと呼ばれる装置をTMD、基礎免震、連結制振ビルのようなさまざまなタイプの建築構造物や、斜張橋のケーブルに設置した場合、そこで発生する地震動や風力といった外乱による振動によりどの程度の発電が見込めるのかを計算するプログラムを作成し、数値解析シミュレーションを行った。また、これらの結果を今後、実験により検証するために、ミシガン大学において実時間ハイブリッド実験の準備を進めている。現在、実験に必要な機器はアクチュエータを除き、全て準備出来ており、発注済みのアクチュエータが納品され次第、セットアップの後、実験を行う予定である。
また、振動エネルギーにより発電した電気エネルギーを再び構造物へ再入力することで構造物の振動を同時に制御するためのアルゴリズムの提案にも同時に取り組んでいる。現段階では制御理論の分野で近年研究が進められているLMI (Linear matrix inequality)法のエネルギーハーベスティング技術への応用を目指している。
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