研究課題
ミトコンドリア内膜トランスロケータチャネルであるTIM23複合体のメンテナンスを担い,ミトコンドリア内でのカルジオリピン(CL)合成の最初の反応を触媒するTam41の結晶構造解析について,前年度に引き続き,様々なコンストラクトの発現・精製を検討した。今年度は,大腸菌発現系を用いて不溶性画分からのリフォールディング条件を検討した結果,Kluyveromyces lactisおよびKluyveromyces marxianus由来のTam41について,n-Dodecyl-β-D-maltosideとアルギニンの存在下で効率良く巻き戻ることが分かった。両者はゲルろ過クロマトグラフィーにおいても良好な溶出ピークが得られており,その溶出位置から,Tam41は単量体ではなく多量体を形成していることが考えられる。今後,リフォールディングしたTam41が酵素活性(CDP-DAG合成活性)を持っているかを確認し,結晶化スクリーニングに供する予定である。また,前年度までに得られていたPgs1 (PGP合成酵素)やGep4 (PGPホスファターゼ)について,昨年度までに得られた微結晶について結晶化条件の最適化を試みたが,結晶が成長しないため,引き続き沈殿剤の濃度やpH,コンストラクトの長さや基質の有無による結晶化条件の最適化を行う予定である。また,ミトコンドリア外膜と小胞体膜を物理的に結合させるERMES複合体について,前年度までに得られていたMmm1欠損株の増殖阻害を回復させるマルチコピーサプレッサー遺伝子について論文を執筆し,FEBS Letters誌に発表した。さらに,ERMES複合体が小胞体からミトコンドリアへのホスファチジルセリンの輸送に直接的に関与していることを明らかにし,その成果をScientific Reports誌に発表した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
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