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2014 年度 実績報告書

MRIを用いた発達性読み書き障害の神経科学的マーカーの確立に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14J00518
研究機関筑波大学

研究代表者

樋口 大樹  筑波大学, 人間総合科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2016-03-31
キーワード日本語漢字 / 視覚認知 / 後頭側頭領域 / 発達性読み書き障害
研究実績の概要

本研究の目的は、発達性読み書き障害を神経科学的に評価する基盤形成を行うことである。発達性読み書き障害の障害仮説として、主に音韻障害仮説と視覚認知障害仮説があるが、視覚認知障害仮説に関する研究は十分に進んでいない。そこで、本研究ではまず日本語漢字を用いて視覚認知過程を評価する方法を確立することを目指した。
本年度は健常成人を対象として、日本語漢字の視覚処理を画像化した。日本語漢字は、角、部首、一文字のように階層的な構造を有する。そこで、角の情報のみを持つ刺激、部首の情報のみを持つ刺激、実在漢字に対する脳活動をfMRIで計測した。その結果、左の後頭側頭領域で日本語漢字の視覚処理が階層的に行われていることが示唆された。この手法は、今後発達性読み書き障害児の視覚認知障害を評価する有用な手法として期待ができる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

英文誌への論文投稿を行ったものの、データの取得が未だ健常成人にとどまっている。一方で、本年度使用した方法で文字以外の視覚階層処理も評価可能である可能性が浮上し、新規の実験に関する準備も完了した。総合すると、進行状況はやや遅れていると考えられる。

今後の研究の推進方策

これまでの研究で日本語漢字の視覚認知過程をfMRIを用いて画像化する方法を確立したが、そもそも発達性読み書き障害児において文字特異的に視覚階層処理が障害されているのか、物体も含めた視覚階層処理が障害されているのか明らかにする必要が生じた。そして、文字以外の視覚階層処理障害に関しては、欧米圏においても研究が行われていない。そこで、本年度使用した方法を元に、文字と文字以外の視覚階層処理を測定する手法を確立することを目指すことにした。現在、物体の視覚階層処理を測定するための課題を設計し、健常成人を対象として課題の頑健化を行う段階にある。健常成人を対象とした実験の後、発達性読み書き障害児を対象としたデータ取得を開始する予定である。本年度は、遅れていたMRIデータの取得を集中的に進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Differential Functional Connectivity Patterns between Japanese Real Kanji, Pseudo Kanji, and Artificial Characters2015

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Higuchi, Yoshiya Moriguchi, Hiroki Murakami,Ruri Katsunuma, Kazuo Mishima, Akira Uno
    • 学会等名
      2015 East Asia Joint Symposium on Reading and Spelling
    • 発表場所
      Taipei, Taiwan
    • 年月日
      2015-03-07 – 2015-03-08

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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