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2015 年度 実績報告書

人工ヌクレアーゼを用いた植物ゲノム育種技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14J00525
研究機関大阪大学

研究代表者

安本 周平  大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2017-03-31
キーワードゲノム編集 / 人工ヌクレアーゼ / TALEN / CRISPR/Cas / 植物ゲノム編集 / ゲノム育種 / 毛状根
研究実績の概要

人工ヌクレアーゼを用いたゲノム編集技術は新しい植物育種技術 (New Plant Breeding Techniques, NPBT) の一つであり、従来の突然変異導入を用いた育種では開発できない有用な作物を作出できることから、植物のゲノム育種への利用が期待されている。本研究では、人工ヌクレアーゼによる植物ゲノム育種を実用化に結びつけることを目的としている。
本年度は、初めに、簡便に人工ヌクレアーゼの活性を評価する系の構築を目指し、Agrobacterium rhizogenes を用いた毛状根培養系の構築を試みた。CRISPR/Cas 発現ベクターを A. rhizogenes に導入し、ジャガイモ・トマトへ感染させることにより毛状根を誘導し、ゲノムDNAの解析を行ったところ、短期間で標的遺伝子への変異導入が確認され、毛状根培養系が作製した人工ヌクレアーゼ発現ベクターを植物細胞内で迅速に評価するには有用であることが示唆された。
次に、形質転換作業を経ずに植物のゲノム編集を行うため、TALENタンパク質の植物細胞への導入を試みた。TALEN発現ベクターを大腸菌へ導入し、組換えTALENタンパク質を生産、ニッケルカラムによる簡易精製を行ったところ、in vivo において標的DNA切断活性を示すTALENタンパク質が得られ、プロトプラストへの導入法を検討してる。
また、シロイヌナズナゲノム上の近接した位置に存在する相同遺伝子について、TALENを用いて多重変異体を作出し、当該遺伝子機能の解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の計画通り、植物細胞を用いた人工ヌクレアーゼ発現ベクターの活性評価系を構築し、作製したCRISPR/Cas発現ベクターの活性評価を行った。成長の早い毛状根を用いることで、1-2ヶ月で人工ヌクレアーゼの植物細胞内での活性確認が可能となり、植物における人工ヌクレアーゼを用いたゲノム編集研究を効率的に進めることが可能となった。
また、外来DNAを用いない植物のゲノム編集は、最近韓国、アメリカの研究グループが独立して報告しており、技術的に可能であることが明らかとなったが、その編集効率は未だ低いため、改善の余地があると思われる。

今後の研究の推進方策

作製したTALENタンパク質を植物プロトプラストへ導入し、核酸導入を要しない植物ゲノム育種法の開発を進める。また、作出した変異体について、遺伝子機能の解析を進める。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Novel triterpene oxidizing activity of Arabidopsis thaliana CYP716A subfamily enzymes2016

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Yasumoto, Ery O. Fukushima, Hikaru Seki and Toshiya Muranaka
    • 雑誌名

      FEBS Letters

      巻: 590 ページ: 533-540

    • DOI

      10.1002/1873-3468.12074

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] シロイヌナズナCYP716Aサブファミリー酵素遺伝子の機能解析2016

    • 著者名/発表者名
      安本周平,福島エリオデット,關光,村中俊哉
    • 学会等名
      日本農芸化学会2016年度札幌大会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター (北海道札幌市)
    • 年月日
      2016-03-27 – 2016-03-30
  • [学会発表] 毛状根培養を用いたゲノム編集のための人工ヌクレアーゼ評価系の構築2015

    • 著者名/発表者名
      安本周平,澤井学,若林孝俊,關光,刑部祐里子,刑部敬史,村中俊哉
    • 学会等名
      第67回日本生物工学会大会
    • 発表場所
      城山観光ホテル (鹿児島県鹿児島市)
    • 年月日
      2015-10-26 – 2015-10-28
  • [学会発表] ゲノム編集されたジャガイモの再分化2015

    • 著者名/発表者名
      安本周平,澤井学,若林孝俊,梅基直行,斎藤和季,關光,村中俊哉
    • 学会等名
      第33回日本植物細胞分子生物学会(東京)大会・シンポジウム
    • 発表場所
      東京大学農学部キャンパス (弥生キャンパス) (東京都文京区)
    • 年月日
      2015-08-10 – 2015-08-12
  • [学会発表] Characterization of CYP716A subfamily genes in Arabidopsis thaliana2015

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Yasumoto, Hikaru Seki, Ery Odette Fukushima, Toshiya Muranaka
    • 学会等名
      Terpnet2015
    • 発表場所
      Vancouver (Canada)
    • 年月日
      2015-06-01 – 2015-06-05
    • 国際学会
  • [図書] 「人工ヌクレアーゼを用いた植物代謝工学」『進化するゲノム編集技術』2015

    • 著者名/発表者名
      安本周平,關光,村中俊哉
    • 総ページ数
      386 (235-241)
    • 出版者
      エヌ・ティー・エス
  • [図書] 「植物でのゲノム編集」『実験医学別冊 論文だけではわからないゲノム編集成功の秘訣 Q&A』2015

    • 著者名/発表者名
      安本周平,關光,刑部祐里子,刑部敬史,村中俊哉
    • 総ページ数
      269 (228-243)
    • 出版者
      羊土社
  • [産業財産権] 22α位水酸化五員環トリテルペンの生産およびその利用2016

    • 発明者名
      村中俊哉,關光,福島エリオデット,安本周平
    • 権利者名
      大阪大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2016-16511
    • 出願年月日
      2016-01-29

URL: 

公開日: 2016-12-27  

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