研究課題/領域番号 |
14J00787
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
棚橋 嵩一郎 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | ADMA / 動脈伸展性 / 有酸素性運動 / 中高齢者 |
研究実績の概要 |
加齢により動脈伸展性は低下する。また、動脈伸展性の低下は心血管疾患のリスクファクターとなる。一方、中高齢者における有酸素性運動トレーニングは動脈伸展性を増大させることが明らかになっている。非対称性ジメチルアルギニン(ADMA)は、動脈伸展性の調節に大きな影響を与えることが明らかになっている一酸化窒素の産生を阻害し、血管内皮機能の低下や動脈伸展性の増大に関与することが報告されている。さらに近年、有酸素性運動トレーニングによる動脈伸展性の増大にADMAが関与する可能性が示唆された。しかしながら、その詳細なメカニズムは不明である。そこで本研究では、有酸素性運動トレーニングによる動脈伸展性増大にADMAが関与する詳細なメカニズムを明らかにすることを目的とした。有酸素性運動トレーニングによる動脈伸展性増大の詳細なメカニズムを明らかにすることは、科学的根拠に基づいた運動療法確立の観点から非常に重要な課題である。 今年度は、前述した目的を達成するために、中高齢者において、12週間の有酸素性運動トレーニング介入を実施し、血管機能データおよび血液検体の収集を行った。今後、これらを解析することで、ADMAと中心とした有酸素性運動トレーニングによる動脈伸展性増大のメカニズムを明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、有酸素性運動トレーニングによる動脈伸展性増大にADMAが関与する詳細なメカニズムを明らかにすることを目的として、中高齢者を対象として有酸素性運動トレーニング介入を実施し血管機能データおよび血液検体の収集を行った。当初の計画では、血液検体から血中ADMA濃度およびメカニズムとして予想される因子の評価を行い、これらの関係性まで検討する予定であったが、現段階では検体の収集までに留まっているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は収集した検体から、血中ADMA濃度およびメカニズムとして予想される因子の評価を行い、これらの関係性を検討する。また、これまではADMAが有酸素性運動トレーニングによる動脈伸展性増大に関与するメカニズムとして機能的因子のデータを主に収集してきた。しかし、ADMAは器質的因子へも影響するため、さらなる有酸素性運動トレーニング介入を行い、器質的因子のデータ収集および関係性の検討についても行っていく。
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