研究課題/領域番号 |
14J00788
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松澤 周平 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | 電磁流体 / メッシュフリー法 / 数値解析 / 重み付最小二乗法 / 電磁浮遊 |
研究実績の概要 |
電磁流体現象は、流体と電磁場が相互作用しながら進行する複雑な現象である。これまでの著者の研究では、粒子法と有限要素法を連成させた電磁流体現象のための解析手法を提案し、その有効性を検討してきた。しかし、流体解析に用いる粒子法がメッシュを用いない手法であるにも関わらず、電磁場解析に用いる有限要素法を連成させる以上、解析手法全体としてはメッシュを必要とすることになり、大変形を伴う現象の数値解析においてメッシュに起因する計算破綻が起こり得る点が課題となっていた。これに対し、電磁場解析もメッシュを用いずに行うことができれば、前述の問題は生じなくなると考えられる。 本年度に行った研究では、流体・電磁場ともにメッシュフリー法によって計算を行う解析手法を提案した。この手法においては、流体の支配方程式および電磁場の支配方程式はすべて重み付最小二乗法を用いて計算点のみで離散化される。本研究では、前述の手法による電磁流体現象の数値解析を実現するプログラムを自作し、その有効性の検証を行った。 まず、流体解析において、振動数の理論解と解析解を比較した結果、解析解の定量的な妥当性を確認できた。また、磁場解析において、永久磁石が生成する磁束密度分布や、交流磁場中の導体に生じる渦電流密度及び電磁力分布の解析結果から、本手法の定性的な妥当性を確認できた。以上の結果を受け、流体と磁場の連成解析例として、2次元の電磁浮遊現象の解析を提案手法により行った。本解析により、溶融金属が電磁力によって浮揚すると同時に、電磁力と表面張力との相互作用によって大変形を伴った振動を行っている挙動が確認でき、提案手法が大変形を伴う電磁流体現象に対する解析手法として有効な手段となり得ると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の研究目的で示したメッシュフリー法の電磁場解析への導入を行い、簡易モデルを用い電磁流体現象のメッシュフリー解析の実施を本年度の研究で行うことができた。 導入した手法が、大変形を伴う電磁流体現象の解析手法として有効な手段となり得ることを示すことができたと考えられるが、手法の定量的な検証については不十分であり、今後の課題である。以上の通り、本研究課題はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度における研究では、電磁流体現象について2次元のメッシュフリー解析のみを行っているが、実現象との比較を行うためには、3次元解析が必要であると考えられる。今後、3次元モデルでの検証を行うと同時に、他手法による解析結果や理論解などとの比較を通し、本手法の定量的な有効性を確認していく予定である。
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