研究課題
本研究の目的は、若年性認知症に対する運動療法の効果を検討することである。本目的を達成するために以下の3つの研究課題を設定した。課題1:若年性認知症患者の認知機能、身体機能の特徴、若年性認知症と認知機能、身体機能との関連、課題2:若年性認知症に対する運動療法の効果、課題3:若年性認知症患者の半年後の評価。本年3年目では、課題2を継続して(課題2-2として)遂行した。【研究課題2-2】若年性認知症に対する運動療法を中心とした介入が認知機能、身体機能に及ぼす影響運動療法を中心とした介入が、若年性認知症の認知機能、身体機能に及ぼす影響を、1年半の長期的介入の結果から検討した。本課題は、老年性認知症と比較検討したものである。2013-2016年に筑波大学附属病院精神科デイケアへ参加した33名の軽度認知機能障害者(MCI :mild cognitive impairment)を対象とした。介入は運動療法を中心に、芸術療法、音楽療法、知的活動などをおこなった。運動療法は、準備運動、有酸素運動、レジスタンストレーニング、ストレッチのプログラム構成でおこなった。認知機能に関して、若年性MCI者も老年性MCI者も認知機能に有意な向上はみられなかったが、認知機能は、MCIから認知症へのコンバート率が年間5~15%であることを鑑みると、baseline~1.5年後で、若年性MCI、老年性MCI共に、認知機能が維持できていることは有益な結果であると考えられる。身体機能に関して、若年性MCI者の身体機能の介入効果に有意差はみられなかったが、向上傾向はみられた。運動療法を中心とした介入は、1.5年もの間、認知機能、身体機能を維持・向上させていることから、効果的であったと考えられる。今後さらに半年間の介入を続け、2年間の結果を検討した後、追跡調査を予定している。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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