研究課題/領域番号 |
14J00949
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
古野 達也 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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キーワード | アクティブ標的 / マイクロピクセルチェンバー / 中性子過剰核 / クラスター構造 |
研究実績の概要 |
本研究では、マイクロピクセルチェンバー(μ-PIC)を用いたアクティブ標的の開発を行なっている。この検出器を不安定核実験に用いて、これまで測定が困難であった前方角度でのアルファ非弾性散乱を実施し、中性子過剰核におけるアルファクラスター構造を探索することを目標としている。 2014年度はテスト実験で取得したデータの解析を行ない、本研究で開発を行なっている検出器の性能を評価した。解析の結果、検出器にビーム粒子が高レート(100 kcps)で入射する環境下でも、7 mrad程度の角度分解能を達成することが判明した。 散乱事象に対しては、ハフ変換を用いた解析アルゴリズムを開発し、散乱された粒子の飛跡のみを選択的に抽出することが可能となった。 以上の成果を、横浜で開催された国際クラスターワークッショップ及び、ハワイで開催された日米合同物理学会で報告した。また、Journal of Physics: Conference Series誌で公表した。更にフランスGANIL国立研究所のセミナーにおいて講演を行なった。 検出器のアップグレードとして、本年度はガス電子増幅器(GEM)を導入し、ガス増幅率の向上を測った。これにより、検出器を更に安定に動作させることが可能となった。GEMの導入と平行して、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)を用いた制御系の開発も行なった。検出器ガス、回路の状態を遠隔地から監視、制御を自在に行なうことが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ガス電子増幅器を導入するための開発に時間を要してしまった。しかし開発の結果、検出器の放電を抑制し、より安定に動作させることに成功した。またガス増幅率が向上したために、検出器に用いるガスの選択において、柔軟性が高まった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は散乱事象に対する解析アルゴリズムの更なる開発を行なう。ハフ変換を用いて散乱された粒子の飛跡を抽出することが可能となったので、3次元的な飛跡の情報から散乱角度及び励起エネルギーを再構築するアルゴリズムを開発する。開発したアルゴリズムは、シミュレーションや過去に測定された断面積データを用いて効率を評価する。 その後はアクティブ標的を用いて不安定核実験を実施する。実験は12Be核におけるアルファクラスター構造の探索を目的とする。実験は大阪大学核物理研究センターで行なう予定である。12Beビームは、核子当り80 MeVの18Oビームを9Be標的に照射して入射核破砕反応で生成し、ENビームラインのフラグメントセパレータによって粒子識別を行なう。生成した12Beビームはアクティブ標的に入射させる。アクティブ標的にはヘリウムガスを封入し、ビーム粒子とのアルファ非弾性散乱を測定する。測定した単極子遷移強度からアルファクラスター状態の同定を行なう。
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