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2015 年度 実績報告書

プロポーション不変なプラナリアの再生原理の探求

研究課題

研究課題/領域番号 14J01028
研究機関京都大学

研究代表者

細田 和孝  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2016-03-31
キーワードプラナリア / 再生 / プロポーション
研究実績の概要

本研究ではプラナリアの再生時のプロポーション形成およびその形成に関わるキナーゼ遺伝子を扱っている。前年度には、このキナーゼ遺伝子の機能阻害個体において、ERKというプラナリアでは前方化に関わっているシグナルの活性が低下していることを示唆することができた。そこで本年度では、キナーゼ遺伝子の機能阻害個体において、プラナリアにおける後方化シグナルであるβ-cateninシグナル経路の下流で発現を示す遺伝子の発現を調べたところ、発現範囲が前方領域に拡大していることが分かり、キナーゼ遺伝子が後方のβ-cateninシグナルに対して抑制的に働いていることが示唆された。このことは、キナーゼ遺伝子が、一分子で前方化シグナルと後方化シグナルを制御して再生に影響を与える因子であることを示唆しており、シグナルと形態形成の新しい関係性を示す大変興味深い結果である。

一般に、ERKはMEKという因子により活性化され、そのMEKはRafという因子によって活性化される。プラナリアの再生時にもこのシグナルカスケードが働いていることが予想されため、MEK、Raf両ホモログに関して探索および機能解析を行い、プラナリアの再生時にERKの上流で働きうるMEKおよびRafホモログを同定した。
プロポーションに関わるキナーゼ遺伝子はRafと同じファミリーに属し、また哺乳類ではMEKを活性化することが報告されているため、キナーゼ遺伝子はRafと同様にMEKの活性化を介してERKを活性化していると予想される。しかし、Rafの機能阻害では、キナーゼ遺伝子の機能阻害と違って再生時における器官再生そのものが起こらなくなる。そのため、キナーゼ遺伝子はRafとは異なる様式でERKを活性化しており、この活性様式の差異およびキナーゼ遺伝子の後方化シグナルへの影響が器官の再生位置(プロポーション)に重要な役割を果たしていることが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Simple blood-feeding method for live imaging of gut tube remodeling in regenerating planarians2016

    • 著者名/発表者名
      Kazutaka Hosoda, Mizuki Morimoto, Minako Motoishi, Osamu Nishimura, Kiyokazu Agata, Yoshihiko Umesono
    • 雑誌名

      Development, Growth & Differentiation

      巻: 58 ページ: 260-269

    • DOI

      10.1111/dgd.12270

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] The planarian Dugesia japonica as a new model animal to understand molecular mechanisms underlying stable body proportioning2016

    • 著者名/発表者名
      Kazutaka Hosoda, Takuya Kunimoto, Osamu Nishimura, Byulnim Hwang, Minako Motoishi, Shigenobu Yazawa, Makoto Mochii, Kiyokazu Agata, Yoshihiko Umesono
    • 学会等名
      CDB symposium 2016
    • 発表場所
      理化学研究所 多細胞システム形成研究センター
    • 年月日
      2016-03-28 – 2016-03-30
  • [学会発表] Two types of MAP3K that is involved in the activation of ERK signaling pathway are required for organs construction or pattern formation during regeneration in the planarian2015

    • 著者名/発表者名
      Kazutaka Hosoda, Kiyokazu Agata, Yoshihiko Umesono
    • 学会等名
      BMB2015 Biochemistry and Molecular Biology
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-03 – 2015-12-03
  • [学会発表] プラナリアの再生を介した体のプロポーションを決める分子機構の解析2015

    • 著者名/発表者名
      細田和孝、阿形清和、梅園良彦
    • 学会等名
      日本動物学会 第86回大会
    • 発表場所
      朱鷺メッセ
    • 年月日
      2015-09-17 – 2015-09-17
  • [学会発表] The planarian Dugesia japonica acts as a new model animal to understand molecular mechanisms underlying stable body proportioning2015

    • 著者名/発表者名
      Kazutaka Hosoda, Osamu Nishimura, Shigenobu Yazawa, Tetsutaro Hayashi, Kiyokazu Agata, Yoshihiko Umesono
    • 学会等名
      48th Annual Meeting of the JSDB
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      2015-06-03 – 2015-06-03

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公開日: 2016-12-27  

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