現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究では、「研究実績の概要」に書いたように、多成分原子系において基底状態として現出する量子凝縮相を解明し、基底状態の相図を決定した。また、それと共に、今まで予言されていなかった多成分原子系特有の量子相転移を新たに提唱し、この量子相転移を実験的に観測するための物理量も計算した。本研究では、現在の技術を用いて実験的に精査することができるパラメータ領域においての解析を行っており、本解析で明らかとなった相図や量子相転移は実験的に容易に再現・観測されるものであると期待している。 以上の結果をまとめたものは、Physical Review AとProceedingsにそれぞれ掲載され (Physical Review A, 90, 013632 (2014)、J. Phys. Conf. Ser. 592, 012104 (2015))、結果の妥当性については議論され、認められている。今年度の研究では基底状態として安定化する量子凝縮相を決定し、実験的に観測することができる量子現象を予言することを目的として行っており、その目標は達成することができたと考えている。
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