研究課題/領域番号 |
14J01228
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
飯塚 弘明 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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キーワード | ナラ枯れ / 養菌性キクイムシ / 群集生態学 |
研究実績の概要 |
通年にわたり、7本の調査対象木において、約10日に1回の頻度にてトラップを回収し、キクイムシ類の脱出成虫を捕獲した。現在、総捕獲個体数は、9073個体である。また、7本の調査対象木において、約10日に1回の頻度にて、新たな穿入孔のチェックを行った。新たな穿入孔へのトラップの設置は、確認から約20日経過した後に行い、約10日に1回の頻度にてトラップを回収し、キクイムシ類の脱出成虫を捕獲した。現在、トラップの総数は、11551個となっている。そうして捕獲されたキクイムシ類の全個体の乾燥標本を作製し、種同定をした。現在、平成26年7月までに捕獲された個体について種同定を行っている。また、2014年5月に、7本の調査対象木の中から、キクイムシ類の穿孔が多い木と少ない木を1本ずつ選定し、それらにおいて、樹液流速計を設置し以降継続して、樹液流速を計測した。 12月には、捕獲方法によるブナ林におけるキクイムシ類の群集構造の違いに関する論文を、日本応用動物昆虫学会国際学術誌Applied Entomology and Zoologyに投稿した(Ref.No.AEAZ-D-14-00271R1)。 3月には、第59回日本応用動物昆虫学会大会にて、キクイムシ類の天敵に関する研究成果を口頭にて発表した。4月には、そのキクイムシ類の天敵とコナラ材内部における養菌性キクイムシ類の孔道の特徴に関する論文を、日本応用動物昆虫学会国際学術誌Applied Entomology and Zoologyに投稿した(Ref.No.AEAZ-D-15-00098)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りの野外調査、データ解析、及び論文執筆・学会発表が行えている為。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度も前年度の野外調査を継続し、コナラの生存木及び枯死木で3年間にわたって、地際から地上高10mまでの樹幹において、キクイムシ類各種の穿入孔の形成時期と形成位置、及び穿入孔からの次世代成虫の脱出時期と脱出頭数を詳細にわたり解明する。さらに、申請者飯塚弘明によって既に得られた大量萎凋枯死が生じていないブナ科樹種であるブナを利用するキクイムシ類群集との比較を通じて、ブナ科樹種の萎凋枯死を引き起こすキクイムシ類の群集特性を明らかにする。
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