平成27年度6月1日から3月17日までタンザニア連合共和国の各地において地酒造りに関するフィールド調査を行った。タンザニア北部のキリマンジャロ州では、ソコイネ農業大学の研究者と共同で、現地において製造されているバナナを原材料とした地酒の詳細な製造法を明らかにした。当フィールド調査の結果はソコイネ農業大学の研究者との共著論文としてまとめ、学術雑誌に投稿する予定である。タンザニア中部のドドマ州では、ソルガムを原材料とした地酒の詳細な製造法を明らかにするとともに、現地の野草を利用した食品についての調査も行った。野草を原材料とした食品については、タンザニア東部に位置するモロゴロ州においても同様の食品が利用されているという情報を得たため、同地においてもその詳細な利用法などに関するフィールド調査を行った。 タンザニア南部において行った地酒製造に関するフィールド調査の結果を、「The reason for the preferential use of finger millet (Eleusine coracana) in eastern African brewing」と題した論文としてまとめ、学術雑誌に投稿した。当論文はJournal of the institute of Brewingに掲載された。タンザニア南部における地酒製造についてまとめた、「タンザニア農村部における地酒製造」と題した総説を執筆した。当総説は日本醸造協会誌に掲載された。
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