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2015 年度 実績報告書

ヒト型三・四分枝糖鎖の精密半合成を利用するエリスロポエチンの系統的合成

研究課題

研究課題/領域番号 14J01545
研究機関大阪大学

研究代表者

真木 勇太  大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2017-03-31
キーワード糖鎖 / 糖ペプチド / セグメント縮合 / 糖タンパク質
研究実績の概要

三分枝糖鎖を持つエリスロポエチンを合成するためには、貴重な三分枝糖鎖を使っていかに効率的に糖ペプチドを調整するかが鍵であり、まず二分枝糖鎖を用いて糖ペプチドの新規合成法を検討した。従来法では、固相上で糖鎖アスパラギンを過剰量用いて縮合し、またセグメント全長の純度によっては糖ペプチドの単離収率が低くなることがある。そこで、貴重な糖鎖アスパラギンに対してC, N末端側のペプチドを液相中で縮合する戦略を考えた。まず、三分枝糖鎖を導入するセグメントの糖鎖アスパラギン以外を従来のFmoc法によって保護ペプチドとして合成した。C末端側のペプチドに関しては、そのC末端をヒドラジド、N末端を遊離アミンへと変換した。続いて、二分枝糖鎖アスパラギンとの縮合反応を、活性化剤としてPyBOP、溶媒としてDMF/DMSOを用いて行った結果、効率的に糖ペプチドを得られることを見出した。さらに、N末端側のセグメントとの縮合をPyBOP、DMFを用いて行った結果、目的の糖ペプチドセグメントを単離収率30%で得ることができた。現在、エピメリ化のリスクを下げつつさらに縮合効率を上げるために種々の条件検討を行っている。 また、三分枝糖鎖を導入するセグメント以外のセグメントに関しても、過去の報告例に従って合成を進めており、現在までに3つのセグメントの調整を完了している。残る二つのセグメントに関しても順調に合成を進めており、それぞれのセグメントがそろい次第、ペプチド-ペプチド連結反応であるNative Chemical Ligation によって順次ペプチド鎖を連結していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度中に3分枝糖鎖を持つエリスロポエチンを合成する予定であったが、現在はまだ各ペプチドセグメントの調整を行っている。これは鍵となる新たな糖ペプチド合成法の確立に時間を要したのと、これまでの研究の総括である糖鎖合成の論文の執筆およびリバイスに時間を要したためである。この論文出版に関しては、追加実験や数回の訂正を求められたためであるが、全て順調に対処し、アメリカ化学会誌に出版することができた。新規合成法の開発に関しては、保護ペプチドの反応開発が想定していた以上に難しかったために時間を要したが、今現在は問題を克服し、エリスロポエチン合成に必須な新たな方法論の開発をすることができた。

今後の研究の推進方策

三分枝糖鎖を持つエリスポエチン合成に向けて、その鍵となる糖ペプチド合成法の開発、および糖鎖合成は完了している。今後は既知の合成ルートに従ってセグメント調整、および連結反応を繰り返すことによって目的化合物を合成していくだけである。また、四分枝糖鎖の合成に関してもエリスロポエチン合成の合成が完了し次第取り組んで行く予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Semisynthesis of Intact Complex-Type Triantennary Oligosaccharides from a Biantennary Oligosaccharide Isolated from a Natural Source by Selective Chemical and Enzymatic Glycosylation2016

    • 著者名/発表者名
      Yuta Maki, Ryo Okamoto, Masayuki Izumi, Takefumi Murase, and Yasuhiro Kajihara
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society

      巻: 138 ページ: 3461-3468

    • DOI

      10.1021/jacs.5b13098

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] A Systematic Synthesis of beta1,6 and beta1,4 Branched Human-type Triantennary N-Glycans by Use of Biantennary Glycan Isolated from Biological Source2015

    • 著者名/発表者名
      Yuta Maki, Ryo Okamoto, Masayuki Izumi, and Yasuhiro Kajihara
    • 学会等名
      Gordon Research Conference, Carbohydrate
    • 発表場所
      Vermont, USA
    • 年月日
      2015-06-14 – 2015-06-19
    • 国際学会

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公開日: 2016-12-27  

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