研究課題/領域番号 |
14J01611
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石村 憲意 北海道大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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キーワード | 生物的画像処理 / 自己組織化 / FPGA実装 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、生物的な画像処理機構を利用した新しいアプリケーションを提案することである。そこで、ステガノグラフィと呼ばれる情報秘匿技術に着目した。ランダムパターンに隠したい画像を埋め込み、生物の体表模様の生成メカニズムに倣った、縞模様を生成処理を加えることでさらに秘匿性を高めることができる。ハードウェア実装を目的とし、まず、ハードウェア化が容易な模様生成モデルを用いたC言語によるシミュレーションが終了し、その研究成果を論文にまとめNOLTAにて発表した。 その後、ハードウェア記述言語verilogにより、ステガノグラフィやその他のアプリケーションのプラットフォームとなる、縞模様生成アーキテクチャをFPGA上に実装した。この研究成果をシステムとLSIのワークショップ2014にて発表し、ICDポスター賞(学生部門)優秀賞を獲得した。また、このFPGA実装の成果を論文にまとめNOLTAに発表した。以上のように予定通り縞模様生成プラットフォームを完成させることができた。 また、現在は縞模様生成機構を利用した新しい奥行き検出アルゴリズムを模索している。自動車やロボットなどが、危険物の回避等、適切な行動を取る為に、カメラの映像を基に周囲の空間情報の再構成をリアルタイムで行なう必要がある。その際に「奥行き」は必須の情報となる。しかし、従来の手法では、テクスチャの無い被写体に対し、輪郭部分は奥行き検出が可能であるが、表面部分の輝度変化の乏しい部分の検出が困難である。そこで、単眼カメラで撮影したフレームごとに、縞模様のテクスチャを自動生成させる前処理のアーキテクチャを提案する。さらに、リアルタイム処理が必要となるアプリケーションの為に、前述した縞模様生成ハードウェアを利用する事でさらなる高速化を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生物の体表模様生成のメカニズムに倣ったステガノグラフィに関する研究に取り組み、ハードウェア化に向けた簡易なモデルのシミュレーションの成果を論文として発表した。その後、縞パターンを生成するアーキテクチャのFPGA実装を完成させた。この研究成果は電子情報通信学会(IEICE)集積回路研究会(ICD)のフラグシップ研究会である”システムとLSIのワークショップ”で発表され、ICDポスター賞(学生部門)優秀賞を受賞し、回路研究者から評価を受けた。さらに、縞パターンを利用する様々なアーキテクチャのプラットフォームに関する論文を発表するなど、精力的に研究成果の発表を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
生物的な模様生成を行うディジタルハードウェアのプラットフォームが完成したので、これを利用してステガノグラフィシステムのFPGA実装を引き続き行い、そのシステムの評価を行っていく予定である。また、模様生成処理が重要となる新しいアプリケーションとして、カメラの動画から三次元情報を再構成していくための奥行き検出補助ユニットの研究も並列して行っていく予定である。
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