研究課題/領域番号 |
14J01891
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
下柿元 智也 筑波大学, システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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キーワード | プレイウェア / タンジブルデバイス / ウェアラブデバイス / バイオフィードバック / 運動訓練 / ハビリテーション / 電動義手 |
研究実績の概要 |
本研究では,身体運動とそれに伴って変化する生体・物理信号を遊びに組み入れた,即興的に個人適用可能な生体信号計測・提示可能な玩具システムの実現を通じて,利用者の遊びへの自発的な参加や他者との協調や競争を介して遊び行動誘発する遊びの拡張遊びの拡張や,装着型や玩具型機器を用いた運動訓練・指導の実現を目指す.ここでは,筋電図と脈波に着目し,これらの定常的な生体信号を遊びへ組み入れるための技術開発を進めるとともに,臨床研究,特にモチベーションの維持が難しいリハビリテーションや,訓練への理解がまだ乏しい小児電動義手ハビリテーションなど理学療法への応用,を通じて生体信号を組み合わせた遊びの利用領域の拡大を目指すものである. 本年度は,以下に記すブロック型機器開発に関する工学的な課題(1)から実環境・臨床現場での実証研究(2)(3)を実施し,27年度でより応用的な臨床研究を実施する上で必要な玩具システムの実現可能性を明らかにする研究を実施した.ここでは,(1)ブロック型機器開発:臨床現場で用いるにあたり,筋電図を用いた電動義手との実時間性を持った連動を実現する開発を行った.さらに小児の利用を考慮した安全のためのデザインの改善や遊びとして成立させるためのプロトタイプの量産を行い,工学的な成果とりまとめた.(2)装着型脈拍提示機器の実環境適用:装着型機器を組み合わせた玩具システムをデンマーク工科大学と共同研究,開発し,遊びを通じた脈拍のバイオフィードバックによって運動量を調整できることを健常者にて確認し(被験者4名),実験結果をまとめた.(3)ブロック型機器の臨床適用:腕欠損症小児の筋電義手運動訓練の訓練支援機器として導入し,適用可能性の検証を行い(被験者小児1名),その実現可能性と筋電図と使用したブロックの定量的な記録の実現を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実環境・臨床適用に求められる工学的な課題は概ね克服し、着実に成果を挙げ,(1)(2)については論文として公開された。(3)も引き続き臨床研究を実施し玩具型機器の有効性を検証していくが、 臨床現場で得られた定量的なデータに基づき、論文にまとめていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き臨床研究を実施し,小児の行動の変化を計測していく.また現在までの研究では個人への適用可能性を検証してきたことから、コミュニティスポーツなどを想定した複数人で機器を利用した際の社会的なインタラクションにも着目した実環境での実証実験を行っていきたい.
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