1)研究目的 本研究は、1990年代後半からのイギリスの家族政策展開を手がかりとして、「男性稼ぎ主モデル」を超克するために、いかなる「代替モデル」が構想されたのか、またその実践過程のなかでみられる成果・困難を明らかにすることを試みる。このイギリスの「社会転換」の過程を分析することを通して、日本における「男性稼ぎ主モデル」の超克をめぐる課題を相対化するとともに、今後の政策展開について具体的かつ有益な提言をおこなうことを目指す。 2)研究方法 本年度は博士論文の第2部にあたる調査研究を行った。2015年7~8月にかけてイギリスで政策立案・実践に関係する主要アクターへのインタビュー調査を実施した。22名の聞き取り調査を行い、これを通してeaner-carerモデルの実践過程における成果および課題を明らかにした。調査の結果を国際学会で報告し、論文として執筆、発表した。
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