研究実績の概要 |
本研究は、「解釈レベル理論」に基づき、マーケティングリサーチ結果による購買予測と実際の購買結果の間に生じる乖離の原因究明と、原因となるバイアスの排除によるリサーチ結果の購買予測精度の向上を目的としている。本研究目的を達成するにあたって、H26年度は主に2つの研究を進めた。 1)商品受容評価を目的としたマーケティングリサーチで確認されることが多い「価格」「ブランド」に関する購買重要度が既存のリサーチ法と解釈レベルを適切に操作する方法(Freitas et al., 2004)によって変化するかを検証した。その結果、解釈レベルを適切に操作した場合には、価格やブランドの重要度が変化し、またマーケティングリサーチ結果(コンジョイント分析)の購買予測精度が向上することも合わせて確認された。 2)マーケティングリサーチ用の解釈レベル操作法の開発を試みた。既存の解釈レベル操作法(e.g., Freitas et al., 2004)は心理実験を目的として開発されたものであり、マーケティングリサーチに用いるにあたっては回答者への負担等の点で課題があった。そこで、文献レビュー等を通じ新たな操作法を検討した。また検討した操作法が適切に個人の解釈レベルを変化させることが出来るか心理実験を実施し、その有効性が確認された。 以上の研究成果は関連学会で発表されるとともに、査読付き論文として採択された。また今後は2)の研究に関して、新操作法に改善を施すとともに、一般消費者を対象としたマーケティングリサーチに使用し購買予測精度が高まるかどうかを検討していく。
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