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2014 年度 実績報告書

超原子価ヨウ素反応剤を用いた新規ラジカル反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14J02264
研究機関京都大学

研究代表者

小林 遼平  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2016-03-31
キーワード超原子価ヨウ素反応剤 / 分子内環化 / イミン
研究実績の概要

超原子価ヨウ素反応剤を用い、Cbz保護アミンの分子内選択的環化反応を開発した。従来法ではTs保護アミンを用いていたが、しばしば脱保護が困難であった。Cbz基は水素添加といった温和な条件で除去可能なので、本手法は実用性が高いといえる。
また、イミン炭素をアルキニル基で置換されたBoc保護イミンは、高度に官能基化された含窒素化合物のビルディングブロックとして重要である。しかし本化合物の高い反応性のためか、調製法はBoc保護アミナールから対応するイミンを酸性条件で系中発生させる方法のみであった。本手法ではアニオン性の求核剤が使用できないことから、我々は塩基性条件でイミンの系中発生が可能なBoc保護アミナールを新たに開発した。
このイミン前駆体を用い、グリシンシッフ塩基を求核剤として、ビナフチル骨格を有するキラル相間移動触媒による不斉マンニッヒ型反応に応用したところ、従来合成できなかったアルキニル基を有するα,β-ジアミノ酸誘導体を高立体選択的に得ることができた。本反応の基質適用範囲は広く、アルキニルアミナールのみならず、様々な置換基を有するアミナールにおいても高立体選択的に反応が進行することを確認した。
今後の展望として、本研究により新たに開発したイミン前駆体に対し、様々な求核剤を適用する。特に、適切な超原子価ヨウ素反応剤を用いると、温和な条件でアルカンスルフィン酸ナトリウムからアルキルラジカルが発生させられることがわかっている。このラジカル種を求核剤として用い、アルキニル基を有するBoc保護イミンへの求核付加反応の達成を目指していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究はおおむね順調に進行し、現在においては論文を投稿するに至った。塩基性条件でイミンの系中発生が可能なBoc保護アミナールを新たに開発したことにより、従来合成できなかったアルキニル基を有するα,β-ジアミノ酸誘導体を高立体選択的に得ることができた。また本生成物は、アルキニル基への官能基変換を施すことで、多様な側鎖部位の構築が可能である。例えば、生成物に対しヨード環化反応を行なうと、生理活性物質や機能性材料に多く含まれる多置換ジヒドロピロール誘導体が高収率で得られた。今後、本求電子剤をラジカルアクセプターとして用いることで、ラジカル付加反応へ適用を拡大させる予定である。

今後の研究の推進方策

今後の展望として、本研究により新たに開発したイミン前駆体に対し、様々な求核剤を適用する。特に、適切な超原子価ヨウ素反応剤を用いると、温和な条件でアルカンスルフィン酸ナトリウムからアルキルラジカルが発生させられることがわかっている。このラジカル種を求核剤として用い、アルキニル基を有するBoc保護イミンへの求核付加反応の達成を目指していく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Boc保護アミナールを用いた相間移動条件での不斉マンニッヒ型反応の開発2015

    • 著者名/発表者名
      小林遼平、加納太一、丸岡啓二
    • 学会等名
      日本化学会第94春季年会
    • 発表場所
      日本大学船橋キャンパス
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-29
  • [学会発表] Boc保護アミナールを用いた相間移動条件での不斉マンニッヒ型反応の開発2014

    • 著者名/発表者名
      小林遼平、加納太一、丸岡啓二
    • 学会等名
      日本プロセス化学会サマーシンポジウム2014
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      2014-07-31 – 2014-08-01

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公開日: 2016-06-01  

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