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2014 年度 実績報告書

ワンチップ光電融合ルータに向けたシリコン-化合物半導体ハイブリッドデバイスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 14J02327
研究機関東京工業大学

研究代表者

林 侑介  東京工業大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2017-03-31
キーワードシリコンフォトニクス / ハイブリッドレーザ / 直接接合
研究実績の概要

近年のインターネットトラフィック増大に伴い、光通信において高効率・大容量なルーティングシステムが求められている。このようなシステムを構築する方法のひとつとして、OEO (光-電気-光)変換をOOO変換で代替した光ルータの実現が期待されている。この光ルータ機能をワンチップサイズで実現可能な方法として、申請者の研究グループでは、直接貼り付けを用いたIII-V/Siハイブリッド集積を提案している。これにより、光能動素子と光受動素子を同時集積しつつ、光電融和性の高い大規模光集積回路の実現が可能である。
光電融和ルータへの導入に向けた高効率III-V/Siハイブリッドレーザについて研究を進め、本年度は以下の研究成果を挙げた。
1. AlInAs酸化電流狭窄層の導入に向けて、酸化に必要とされる500℃近い高温加熱がSOI上III-V族活性層の発光効率に与える影響を検討した。貼り付けた基板の層構造、酸化時の温度シーケンスの2点を変更することにより、酸化工程のダメージが抑制される可能性を見出した。
2. プラズマ活性化貼付法を用いてリング共振器ミラー装荷型GaInAsP/SOIハイブリッドレーザを作製した。デューティ比0.1%のパルス電流で励起し、しきい値電流66 mAで発振動作を確認した。同時に、発振スペクトルからリング共振器ミラーに由来する反射特性を確認した。外部微分量子効率は1.8%と低いが、これは電流狭窄構造の導入とリング共振器ミラーの反射率制御により向上できることが計算により見積もられている。
今後はレーザの高効率動作を達成するとともに、複数の光能動素子を集積し、波長変換器等の複雑なシステムの構築を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度はN2プラズマ活性化貼り付け法によるハイブリッドレーザの作製に取り組み、リング共振器ミラー装荷型GaInAsP/SOIハイブリッドレーザで初めての発振動作を確認した。本年度では同時に、酸化に必要とされる500℃近い高温加熱がSOI上III-V族活性層の発光効率に与える影響を明らかにしており、基板層構造と酸化時の温度シーケンスを変することで活性層へのダメージを抑制できることがわかっている。したがって、この酸化方法を用いることでAlInAs酸化電流狭窄層を貼り付け基板上に形成することができ、レーザの高効率動作が期待される。

今後の研究の推進方策

電流狭窄構造の導入とリング共振器ミラーの反射率制御によりレーザ特性の向上を目指す。同時にヒータによる熱光学効果を利用することでレーザの波長可変動作を実現していく。さらに、レーザと同工程で作製可能な光増幅器についても検討を進め、複数機能の同時集積を目指す。複数の光能動素子を同一基板上に集積することで、波長変換器などの複雑なシステムの構築が期待される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Surface assessment after removing III-V layer on III-V/silicon-on-insulator wafer fabricated by plasma activated bonding2014

    • 著者名/発表者名
      J. Suzuki, Y. Hayashi, Y. Kuno, J. Kang, T. Amemiya, N. Nishiyama, and S. Arai
    • 雑誌名

      Jpn. J. Appl. Phys

      巻: 53 ページ: 118003-1-3

    • DOI

      10.7567/JJAP.53.118003

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] GaInAsP/SOI Hybrid Laser with Ring-resonator-type Reflector Fabricated by Plasma Activated Bonding2014

    • 著者名/発表者名
      Y. Hayashi, J. Suzuki, S. Inoue, J. Kang, Y. Kuno, T. Amemiya, N. Nishiyama and S. Arai
    • 学会等名
      The 4th International Symposium on Photonics and Electronics Convergence (ISPEC2014)
    • 発表場所
      東京都 文京区 東京大学
    • 年月日
      2014-11-18
  • [学会発表] プラズマ活性化貼付法を用いたリング共振器ミラー装荷型GaInAsP/SOIハイブリッドレーザの作製2014

    • 著者名/発表者名
      林 侑介、鈴木純一、久能 雄輝、姜 晙炫、雨宮 智宏、西山伸彦、荒井滋久
    • 学会等名
      電子情報通信学会 2014年ソサイエティ大会
    • 発表場所
      徳島県 徳島市 徳島大学
    • 年月日
      2014-09-24
  • [学会発表] Investigation of High Temperature Process for III-V/SOI Hybrid Photonic Devices with AlInAs Oxidation Current Confinement Layer2014

    • 著者名/発表者名
      Y. Hayashi, J. Suzuki, Y. Kuno, J. Kang, T. Amemiya, N. Nishiyama, and S. Arai,
    • 学会等名
      4th IEEE International Workshop on Low Temperature Bonding for 3D Integration (LTB-3D 2014)
    • 発表場所
      東京都 文京区 東京大学
    • 年月日
      2014-06-15
  • [備考] 東京工業大学 電気電子工学専攻 荒井西山研究室

    • URL

      http://www.pe.titech.ac.jp/AraiLab/

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公開日: 2016-06-01  

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