研究課題
平成26年度は、健常児を対象として、人の声に対する脳の反応の継時的変化と言語発達の関係について調査した結果が、国際的学術誌NeuroImageに受理された。3,4歳の時点で、1回目に人の声に対する脳反応を幼児用脳磁計(MEG)で計測し、言語能力との関係を調査した幼児に対し、1回目の計測から11-25ヵ月後に再度、同じ調査を行った結果、人の声に対する脳反応の左半球の反応が大きくなったこどもほど、言語能力が高いという結果が得られた。また、2歳から10歳の健常児および、自閉症スペクトラム障害児を対象に、人の声によって引き起こされた脳反応の縦断的な調査を行い、自閉症スペクトラム障害児群では、健常発達児群に比べ、人の声に対して反応の起こる脳領域の成熟の過程が異なっていることを示唆する内容について、現在論文投稿中である。また、自閉症スペクトラム障害に効果的な早期療育法として、近年、国際的学術雑誌によって多く報告されている、Early Start Denver Model(ESDM)の研修会に参加し、自閉症乳幼児の臨床的症状評価や発達を促すための目標設定の手法について学んだ。オーストラリアから派遣されたトレーナーのもとで、実践的なアドバイスを受けながら、トレーニングを行った。ESDMアドバンスコースは、修士以上を取得し、自閉症スペクトラム障害とかかわりのある臨床家および研究者のみが受講することができる。今後、この研修で学んだ、世界基準の自閉症スペクトラム障害児の臨床評価手法と目標設定の手法について実践を積みながら、現在、私が取り組んでいる脳機能研究に取り入れていきたいと考えている。自閉症スペクトラム障害児において、人の声に対する脳反応の介入前後の比較研究を行うために、国際基準に合わせた評価方法、介入手法を用いることにより、より科学的に質の高い研究を目指す。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件)
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