研究課題
1.公共の場で音声対話可能なヒューマノイドロボットの実現に向けて、ロボットへの入力音に対する応答義務の推定に関する研究を遂行した。本研究は、社会的制約を考慮したロボット用音声対話システムに組み込むモジュールの1つである。本年度は特に、ロボットの状態ではなく、対話中のユーザの身体の状態に着目して、ロボットが入力音に対して応答すべきか否かを推定する手法について検討した。さらに、この手法を実際の音声対話システムに導入する方法を検討した後に、この成果を論文にまとめ、発表した。2. 対話中にヒューマノイドロボットが話題の転換箇所を検出し、ユーザに対して適切に応答することを目的とし、話題転換の有無の推定に関する研究を実施した。社会的制約を考慮したロボット用音声対話システムを実現するには、信号レベルでの適切な動作(ロボットが入力音に対して、応答すべきか否か)に加えて、言語レベルでの柔軟な処理(例えば、言語理解・応答生成)が不可欠である。例えば、ロボットはユーザの発話に対して、応答すべきだと適切に推定できたとしても、その発話が言語的に何を意味しているのか、現在の対話状況を考慮してどう答えればよいのかがわからなければ、円滑な対話を遂行することができない。そこで、まず人間同士の雑談対話を分析し、話題が切り替わるタイミング、切り替わらないタイミングにおける言語表現の違いや音響的特徴を分析し、話題転換の有無に関する特徴について検討した。また、これらの特徴間の関係を分析することで、例えば、話題が展開するときに、発話間間隔が長い場合は、その後の発話には話題転換表現が省略される場合がある、というような関係を発見することができた。研究計画では、その後、話題転換の有無を推定する識別モデルを構築する予定であったが、本年度はこれらの分析まで遂行した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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人工知能学会論文誌
巻: Vol. 31, No.3 ページ: C-FB2_1-9
10.1527/tjsai.C-FB2