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2015 年度 実績報告書

野生生物における極性PPCPsの汚染実態および生体残留性の解明とリスク評価

研究課題

研究課題/領域番号 14J02800
研究機関愛媛大学

研究代表者

田上 瑠美  愛媛大学, 理工学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2016-03-31
キーワード生活関連化学物質 / 医薬品類 / オピオイド系鎮痛薬 / 魚 / 水生生物 / 曝露試験(in vivo試験) / 体内分布 / リスク評価
研究実績の概要

今年度は、これまでの研究においてPharmaceuticals and Personal Care Products (PPCPs)の特異な生体残留性と曝露リスクが懸念された魚類を対象生物とし研究を進めた。平成27年6月~平成28年3月までの9ヶ月間、英国 Brunel University, Environment, Health & Societies 研究所に留学し「PPCPsの水生生物移行~影響発現に至るまでの一連の流れ」について体系的な整理と数値化に取り組んだ。また、モルヒネ、ヘロイン、コデインに代表されるオピオイド系鎮痛薬はがん性痛の治療に用いられる一方で、それらの非合法的な不正使用が深刻な社会問題となっている。そこで、オピオイド系鎮痛薬のTramadolを対象物質とし、Fathead minnows (n = 96)に21日間流水式で曝露し、行動異常をエンドポイントとした新しい評価手法を用いてTramadolの生態影響を見積もった。また、試験魚の血漿と脳試料を化学分析に供試し、水-魚血漿間および血液-作用組織間におけるTramadolの分配について解析した。
その結果、[1] 水-魚血漿間のTramadol分配に従来の予測モデルが適用可能であること、[2] ヒトとは異なる代謝能を示すこと、[3] SSRIsと同様にTramadolは魚に対して抗不安作用を与えること等、当初の予想を上回る発見があった。魚の行動への影響を生態毒性値として数値化する試験法は標準化されておらず、試験条件、エンドポイントの決定とその定量法、ベースラインの低減・安定化など検討すべき課題が山積している中、本研究では、[1] 曝露前後での比較および[2] Positive controlとの比較を初めて試み、それらのアプローチ法が有益であることを示す先導的成果が得られた。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Brunel University(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      Brunel University
  • [雑誌論文] Uptake and Tissue Distribution of Pharmaceuticals and Personal Care Products in Wild Fish from Treated-Wastewater-Impacted Streams2015

    • 著者名/発表者名
      Rumi Tanoue, Kei Nomiyama, Haruna Nakamura, Joon-Woo Kim, Tomohiko Isobe, Ryota Shinohara, Tatsuya Kunisue, Shinsuke Tanabe
    • 雑誌名

      Environmental Science & Technology

      巻: 49 ページ: 11649-11658

    • DOI

      10.1021/acs.est.5b02478

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 生活関連化学物質による魚類汚染: 体内移行残留性と組織分布の解明およびそのリスク評価2015

    • 著者名/発表者名
      田上瑠美,野見山桂,篠原亮太,田辺信介
    • 学会等名
      第24回環境化学討論会
    • 発表場所
      北海道・札幌市・札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2015-06-24 – 2015-06-26
  • [備考] John Sumpter OBE

    • URL

      http://www.brunel.ac.uk/people/john-sumpter-OBE

URL: 

公開日: 2016-12-27  

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