研究課題
早朝空腹時(朝食前)の運動が24時間の脂肪燃焼量に及ぼす影響を検討した。本年度は早朝空腹時に運動することが24時間の脂肪燃焼量を増大させるか否かを明らかにする研究を実施した。運動するタイミングを変えた3試行(朝食前運動、昼食後運動、夕食後運動)に運動をしない24時間の測定(対照試行)を加えた計4試行を設定し、いずれも24時間のエネルギーバランスが等しい条件(摂取量=消費量)にて24時間の脂肪燃焼量を比較した。その結果、昼食後または夕食後に運動する試行では約500kcalの運動をしたにも関わらず、24時間の総脂肪燃焼量は特別な運動をしていない対照試行と有意な差がなかった。これは運動することでエネルギー消費量を増大させても、エネルギーバランスが等しい条件ならば脂肪燃焼量は増大しないという先行研究と一致する結果であった。しかし一方で、朝食前に運動する試行では、対照試行を含む他の3試行よりも24時間の総脂肪燃焼量が有意に増大した。これにより朝食前に運動することで24時間の脂肪燃焼量を増大させることが明らかになり、運動すること自体が脂肪燃焼を増大させるわけではないとの先行研究に対する明確な反証となった。本研究の結果から、朝食前の運動は運動中のみならず24時間における脂肪からのエネルギー供給を増大させ、体脂肪減少に効果的なタイミングであることが示唆された。今後は中長期的に朝食前の運動を継続することが脂肪燃焼量に及ぼす効果を検討することにより、効率よく体脂肪を減らす運動のタイミングを提言することができると考えられる。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)
Endocrinology
巻: 157 ページ: 1029-1042
doi: 10.1210/en.2015-1588
EBioMedicine
巻: 2 ページ: 2003-2009