研究課題/領域番号 |
14J03085
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山下 朋子 京都大学, 法学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
キーワード | 国際法 / 外交的保護 / 国内的救済完了原則 / 国籍継続原則 / 国際投資法 |
研究実績の概要 |
平成26年度年度は第一に、研究課題の基礎となるべき博士論文の執筆作業に注力した。外交的保護制度の法的擬制、国籍に関する規則、国内的救済完了原則といった伝統的に承認されてきた理論の構造を解明し、さらに実際的側面として国民が外交的保護の享受を拒否する場合と、国籍国が外交的保護を与えないという決定を行った場合について、それぞれにどのような法規範が適用され、そのような外交的保護の「放棄」が制約されうるのかを明らかにした。これらの研究成果を京都国際法研究会にて随時報告しつつ、博士論文としてまとめて神戸大学大学院法学研究科に提出し、平成27年3月6日に博士号を取得した。 第二に、2013年中の海外学会・シンポジウムにおける研究報告をまとめた論考をそれぞれの論文集に掲載するため執筆・校正作業を行った。これらの研究成果は2015年中には出版される予定である。いずれも扱う分野は異なるにせよ、国際法における損害賠償(reparation)制度について論じるものであり、今後投資紛争における損害と責任を評価するうえでも重要な示唆を与えるものである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
以上で述べたように平成26年度は前提的研究に多くの時間を割いたため、本研究主題に関する考察はあまり深められていないにせよ、このような研究こそが土台となって、来年度以降の研究を有意に進められるものと考えられる。 またこれらの研究活動に加え、恵まれた環境を生かした様々な種類の若手の研究会や勉強会を継続的に行うことで、研究のための基礎的能力を高めるためのトレーニングを継続している。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度は第一に、平成26年度に実施することのできなかった海外での調査研究並びに研究報告に力を入れる。
|