【高次元におけるFisher--Bingham積分の計算】HGMの初期値計算の工夫と、Fisher-Bingham積分(とその微分)のラプラス近似を元にした常微分方程式系の改良により、従来では、次元が$7$以下の場合でしか計算が行えなかったFisher--Bingham積分の数値計算を、次元が$100$の場合でも可能にすることに成功した。この結果は、竹村彰通教授との共著論文``Holonomic gradient method for distribution function of a weighted sum of noncentral chi-square random variables''として、Computational Statistics に掲載された。 【多面体領域の正規確率の数値計算に対するHGMの応用】未解決であった、HGMの適用における初期値計算ために必要な理論的な問題を解決した。この問題の解決の為に、Edelsbrunnerによって与えられた凸多面体の指示関数についての包除等式を、多面体の面の指示関数の場合に拡張することを行った。また、理論的な結果を元にして、多面体がsimplexの場合における正規確率を数値計算するプログラムを実装した。これらの結果は、単著論文``Holonomic gradient method for the probability content of a simplex region with a multivariate normal distribution''としてプレプリントを公開した。また、研究において開発したsimplexの正規確率を数値計算するプログラムを\\url{https://github.com/tkoyama-may10/simplex}において公開した。
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