ROS-TMSのタスクスケジューラにおいて,ROS-TMS と親和性の高い効率的なタスク記述法を新たに開発し,その有効性を実機実験により検証を行った。まず,情報構造化環境において,多様なロボットに対しその作業設計ができる,柔軟で汎用性の高い作業情報構造化アーキテクチャを提案した.タスク設計では,プログラムの再利用性を高め,システムの命令系統を統一するために,ロボットのタスクを,タスク間で共有できるサブタスクの集合として定義した.さらに,ROS-TMS に作業情報構造化の概念を導入するため,ロボットプランニングモジュール内でサブタスクを実装してロボットのハードウェア構成の差異を吸収,これより上位のモジュールではロボットに依存しない情報を扱える機構を構築した.タスク管理では,ROS-TMS の上位モジュールとしてタスクスケジューラモジュールを構築した.ここでは,設計したタスクを一意に管理するために,新たなタスク記述法を定義し,データベースと連携しながらタスク実行マシンSMACH を介してそれを遂行する一連の機構を構築した.開発したシステムに対し,実機実験により,提案したシステムの有効性を示した.ここまでの成果は,本研究のシステムをROS-TMSと名付け公開している.(https://github.com/irvs/ros_tms/wiki/).また,ROS-TMSでは,汎用ロボットOSであるROS (Robot Operating System)を用いて情報ネットワークを構築している.ROSはロボットと搭載されたセンサ間の通信,およびロボット間の通信を目的に開発されたOSであるが,本研究ではこれを拡張し,多くのセンサノードや処理ノード間で接続を柔軟に組み替え可能な情報ネットワークのアーキテクチャとして利用した.
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