研究課題
平成28年度は、ペルシア語・サンスクリット語の翻訳文献について分析を進めるとともに、3年間の研究成果をまとめる作業に入った。特に10月末から3月下旬までドイツのマルティン・ルター大学ハレ・ヴイッテンベルクにて研究活動を行い、Walter Slaje教授の指導のもと、博士論文の内容、および特別研究員としての研究活動の成果を英語のモノグラフにまとめるべく、執筆活動を行った。また、邦文・欧文でそれぞれ1本ずつ論文を発表した。そのほか、『ラージャタランギニー』のペルシア語訳に関連したテキストをパリ、ミュンヘンに残る写本から校訂し、英文の解題をつけたものを査読誌に投稿した。ドイツでの在外研究期間中には、パリ第3大学で2日連続の口頭発表を行った。それぞれ初日はサンスクリット文献におけるムガル帝国の表象を、2日目は16世紀カシミールで編纂されたペルシア語のリシに関する伝記を取り上げたものである。また平成29年2月にはボン大学から招待を受けて『ラージャタランギニー』ペルシア語訳の翻訳ストラテジーに関する口頭発表を、同23日にはベルリンのトルファン研究所で『集史』インド史におけるサンスクリット由来の情報に関する口頭発表を行った。そのほか、Perso-Indicaの公式サイトで公開されている、翻訳文献サーヴェイのうち、アクバル時代に作成された『ラージャタランギニー』ペルシア語訳のプレリミナリー・エントリーを執筆した。同エントリーは現在ウェブ上で閲覧可能である(http://www.perso-indica.net/work/historical_works/rajatarangini_%28akbar%29)。サンスクリット語・ペルシア語という異なる言語の文献群、インド的・イスラーム的な異なる世界観が交差する本研究課題の成果を、国際的に発信することができた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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東洋学報
巻: 98/3 ページ: 119-127