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2014 年度 実績報告書

運動部活動における効果的な外部指導者活用推進方策の検討

研究課題

研究課題/領域番号 14J03450
研究機関早稲田大学

研究代表者

青柳 健隆  早稲田大学, スポーツ科学学術院, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2016-03-31
キーワード中学校 / 高等学校 / 運動部活動 / 外部指導者 / 教員 / インタビュー
研究実績の概要

本研究の目的は、組織的に実施されている4類型(謝礼補助型、人材紹介型、学生派遣型、企業連携型)の外部指導者活用推進の取り組みについて、教員の視点から課題や改善策を提示することであった。
そのため、公立の中学校または高等学校に勤務する教員12名に対して、半構造化インタビュー調査を実施した。はじめに4類型のモデル図と概要を記した資料を提示し、各取り組みの長所や問題点について聴取した。録音したインタビュー内容はすべて逐語化し、分析にはKJ法を用いて、類似性および差異性をもとに各類型の長所と問題点を集約した。
謝礼補助型の長所としては、お金がかからないことや、教育委員会と連携していることなどが挙げられた。問題点としては、活動量と謝礼が比例していないことや、申請時期が早いことなどが報告された。人材紹介型については、比較的初心者の部員向けであることが長所として挙げられ、申請時期が早いことや、紹介された外部指導者に教育者としての資質があるか不安があることなどが問題視されていた。学生派遣型については、長所として、部員と一緒にプレーしてくれるイメージがあることや、部員教育と学生教育という目的が一致していることなどが、問題点としては、紹介される外部指導者を選べない不安があること、学生という立場に指導への不安があることなどが報告された。企業連携型の長所としては、謝礼が高いわけではないことや、企業が管理している人材のため信頼できることなどが挙げられ、問題点としては、指導頻度が少ないことや、生徒指導ができないイメージがあることなどが報告された。また、各類型への意見に加えて全体を俯瞰した意見も示された。それらより、地域性や部活動の状況を考慮した制度の設計と広報の必要性、金銭管理の担当者の再検討、指導者との面談等による人間性理解と教育的指導の重視、申請時期の見直しが提案された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していたインタビュー調査は計画通り実施され、現在は論文化に向けて執筆作業を行っている。インタビュー調査実施時に運動部活動や外部人材の活用について教員から幅広い話を伺うことができたことは、今後の研究にとっても非常に有益であった。2014年度には関連する研究論文が複数学術誌にも掲載されたことから、研究はおおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

今後は、外部指導者と顧問と適切な役割分担の検討に資するデータを収集するため、インタビュー調査および質問紙調査を行う予定である。まず、質問紙の項目(運動部活動の指導・運営に関わる業務内容や役割)を探索するために、公立中学校または高等学校の運動部活動で顧問経験のある教員を対象にインタビューを実施する。対象者の選定においては、偏りのない意見を収集するため対象者の属性が多様になるように配慮し、縁故法を用いて研究代表者の知人教員を介した合目的的なサンプリングを行う。
続いて、明らかになった運動部活動の指導・運営に関わる業務内容や役割がどの程度の時間的・精神的負担となっているかを定量化するため、公立中学校または高等学校の運動部活動で顧問経験のある教員を対象に、郵送法による質問紙調査を実施する。対象とする学校は、地域、学校種などが偏らないように複数校選出する。まず、地域、学校種によって層化した公立中学校、公立高等学校のリストから、ランダムに選出した学校の校長に対して文書による研究協力依頼を行う。その後、各学校に所属する顧問に対して参加協力依頼の文書を送付し、参加の協力を得る。質問紙は学校ごとに配布・回収する。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 競技スポーツの試合場面における円陣行動に対する実践者の認識―大学女子バスケットボールチームを事例として―2015

    • 著者名/発表者名
      日比千里,青柳健隆,荒井弘和,守屋志保,岡浩一朗
    • 雑誌名

      スポーツ産業学研究

      巻: 25(1) ページ: 11-24

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 運動部活動での外部指導者活用推進に向けた組織の取り組み事例2015

    • 著者名/発表者名
      青柳健隆,石井香織,柴田愛,荒井弘和,深町花子,岡浩一朗
    • 雑誌名

      体育学研究

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] バディキッズ・アドベンチャー・チャレンジ・プログラムの開発と実践2015

    • 著者名/発表者名
      遠藤大哉,青柳健隆,岡浩一朗
    • 雑誌名

      スポーツ産業学研究

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 運動部活動への外部指導者の活用方策2014

    • 著者名/発表者名
      青柳健隆,岡浩一朗
    • 雑誌名

      体育の科学

      巻: 64(4) ページ: 256-261

  • [雑誌論文] 運動部活動での地域人材活用におけるモデルケース比較分析2014

    • 著者名/発表者名
      青柳健隆,石井香織,柴田愛,荒井弘和,岡浩一朗
    • 雑誌名

      SSFスポーツ政策研究

      巻: 3(1) ページ: 257-264

  • [雑誌論文] 質的研究法・混合研究法における疑問点-質的研究セミナーを終えて グループワークの記録-2014

    • 著者名/発表者名
      松下宗洋,青柳健隆,戸ヶ里泰典
    • 雑誌名

      日本健康教育学会誌

      巻: 22(2) ページ: 185-191

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] How to outsource coaching in school-based extracurricular sports activities: Evaluating perceptions of external coaches2014

    • 著者名/発表者名
      Kenryu Aoyagi, Kaori Ishii, Ai Shibata, Hirokazu Arai, Koichiro Oka
    • 雑誌名

      International Journal of Education

      巻: 6(3) ページ: 101-118

    • DOI

      10.5296/ije.v6i3.5942

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Quantitative assessment of facilitators and barriers to using external coaches in school-based extracurricular sports activities2014

    • 著者名/発表者名
      Kenryu Aoyagi, Kaori Ishii, Ai Shibata, Hirokazu Arai, Koichiro Oka
    • 雑誌名

      Journal of Physical Education and Sport Management

      巻: 5(4) ページ: 45-53

    • DOI

      10.5897/JPESM2014.0190

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 運動部活動における潜在的外部指導者の社会人口統計学的特徴2014

    • 著者名/発表者名
      青柳健隆,石井香織,柴田愛,荒井弘和,岡浩一朗
    • 雑誌名

      スポーツ産業学研究

      巻: 24(2) ページ: 185-193

    • DOI

      10.5997/sposun.24.2_185

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 少子化を見据えた青少年のスポーツ環境整備方策―教員へのインタビューに基づく質的検討―2015

    • 著者名/発表者名
      青柳健隆,石井香織,柴田愛,荒井弘和,岡浩一朗
    • 学会等名
      日本体育学会第66回大会
    • 発表場所
      国士舘大学
    • 年月日
      2015-08-25 – 2015-08-27
  • [学会発表] 中学生および高校生の運動部活動参加動機の質的検討2014

    • 著者名/発表者名
      青柳健隆,荒井弘和,岡浩一朗
    • 学会等名
      日本スポーツ教育学会第34回学会大会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      2014-10-25 – 2014-10-26
  • [学会発表] What decrease motivation of students to participate in school-based extracurricular sports activities?2014

    • 著者名/発表者名
      Kenryu Aoyagi
    • 学会等名
      BE ACTIVE 2014
    • 発表場所
      Australia, Canberra
    • 年月日
      2014-10-13 – 2014-10-19
  • [学会発表] 学齢期の組織的スポーツへの参加が成人期のスポーツ関与に与える影響2014

    • 著者名/発表者名
      青柳健隆,石井香織,柴田愛,荒井弘和,岡浩一朗
    • 学会等名
      第69回日本体力医学会大会
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      2014-09-19 – 2014-09-21
  • [学会発表] 学校運動部活動に関わる外部指導者に必要な資質2014

    • 著者名/発表者名
      青柳健隆,石井香織,柴田愛,荒井弘和,岡浩一朗
    • 学会等名
      日本体育学会第65回大会
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2014-08-25 – 2014-08-28
  • [学会発表] Collegiate athletes’ motivation and confidence for coaching in extracurricular activities2014

    • 著者名/発表者名
      Kenryu Aoyagi, Hirokazu Arai, Kaori Ishii, Ai Shibata, Koichiro Oka
    • 学会等名
      East Asian Alliance of Sport Pedagogy Conference
    • 発表場所
      Korea, Seoul
    • 年月日
      2014-08-21 – 2014-08-23

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公開日: 2016-06-01  

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