現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究概要に示した研究に対して,具体的には次のような研究を行った. 研究1に対して,領域交差交換を一般のグラフを最小種数の曲面上描いた図式に拡張することを考えた。領域交差交換はダイアグラムの各領域が定めるZ2線形写像と解釈できる。まずは一般の絡み目に対する,この写像のimageとcokernelを調べた。これは次数が4の2次元球面に射影可能なグラフについて考察することと見なせる.この結果に関しては論文にまとめ出版した[H1].更に次数が4のグラフを種数の高い曲面上に射影した図式に対する領域交差交換の振る舞いを上の写像として扱えるように定式化、考察した。小関氏(国立情報学研究所)によってこの線形写像のimageの次元が示された.しかし,その基底は分かっていない.そこでこの基底を調べたがまだ制限付きのグラフに対してのみしか結果が得られていない. 研究2に対して,絡み目のダイアグラムに対して,交差を4価の頂点に入れ替えることで4価のグラフと見なす.このグラフGから1次元単体複体C(G)を次のようにして得る.Gの頂点集合の冪集合の元を0単体に対応させ,2頂点が辺で結ばれる必要十分条件はある領域での領域交差交換でその頂点に対応する頂点集合が移り合うとき,とする.このような複体の直径や最短距離が直径となっている点の数を考察した. [H1] Hashizume M.,On the image and the cokernel of homomorphism induced by region crossing change, JP. Jour. of Geom. and Top.Vol. 18, Num 2, 2015, pp133-162. [Oze] Ozeki K. Region choice game. preprint
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