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2015 年度 実績報告書

多重励起パルスと時間分解コヒーレント分光で制御する電子正孔系の量子ダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 14J03855
研究機関京都大学

研究代表者

田原 弘量  京都大学, 化学研究所, 助教 (20765276)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2016-03-31
キーワード光物性 / 光電流 / コヒーレント制御
研究実績の概要

本研究の目的は、固体中の電子正孔系を複数の光パルスによって制御し、新たな機能を生み出すことである。昨年度に開発した光電流コヒーレント分光システムを利用し、光電流生成過程の研究を行った。
まず、低温環境下におけるGaAs結晶の光電流生成過程の研究を行った。測定した光電流の超高速時間応答をフーリエ変換することで、光電流生成に寄与する量子状態のスペクトル分布を得ることに成功した。このスペクトルを解析することで、光電流を発生させる3つの過程が存在することが分かった。これら3つの過程は同時に光電流を生成するために従来の手法では解析が困難であったものであり、本研究によって初めて詳細な過程が解明された。温度に対する依存性を測定することで、アクセプタのイオン化に伴って支配的な光電流生成過程が推移することを明らかにした。また、観測された非発光状態が光電流に大きな寄与を与えていることを明らかにした。
次に、太陽電池材料として近年盛んに研究が行われているハロゲン化鉛ペロブスカイトについて、バンドギャップ内局在準位の研究を行った。バンドギャップ内局在準位は発光スペクトルと吸収スペクトルに現れないために観測が困難であり、詳細な物性が理解されていなかった。局在準位を高感度に検出することが可能な光電流コヒーレント分光を用いることで、局在準位が存在することを示し、温度に対する依存性を明らかにした。
これらの研究を通して、複数光パルスによる分光法が固体の光学的・電気的特性を明らかにするための有力な手法になること、さらに光電流生成過程を光パルスによって制御できることを示した。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Observation of localized states in bulk GaAs using ultrafast photocurrent beat spectroscopy2016

    • 著者名/発表者名
      Hirokazu Tahara and Yoshihiko Kanemitsu
    • 雑誌名

      Applied Physics Express

      巻: 9 ページ: 032403-1--4

    • DOI

      http://iopscience.iop.org/article/10.7567/APEX.9.032403

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Experimental Evidence of Localized Shallow States in Orthorhombic Phase of CH3NH3PbI3 Perovskite Thin Films Revealed by Photocurrent Beat Spectroscopy2016

    • 著者名/発表者名
      Hirokazu Tahara, Masaru Endo, Atsushi Wakamiya, and Yoshihiko Kanemitsu
    • 雑誌名

      The Journal of Physical Chemistry C

      巻: 120 ページ: 5347-5352

    • DOI

      http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.jpcc.6b01283

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 位相ロックパルス光電流ビート分光法による鉛ハライドペロブスカイト薄膜の光電流生成機構の研究2016

    • 著者名/発表者名
      田原弘量, 遠藤克, 若宮淳志, 金光義彦
    • 学会等名
      日本物理学会第71回年次大会
    • 発表場所
      東北学院大学
    • 年月日
      2016-03-19 – 2016-03-19
  • [学会発表] 位相ロックパルス光電流分光法によるGaAsのキャリア生成機構の研究2015

    • 著者名/発表者名
      田原弘量, 金光義彦
    • 学会等名
      日本物理学会2015年秋季大会
    • 発表場所
      関西大学
    • 年月日
      2015-09-16 – 2015-09-16
  • [学会発表] Photocurrent Coherent Control in GaAs Using Femtosecond Phase-locked Pulses2015

    • 著者名/発表者名
      Hirokazu Tahara and Yoshihiko Kanemitsu
    • 学会等名
      2015 Conference on Lasers and Electro-Optics Europe & European Quantum Electronics Conference (CLEO/Europe-EQEC 2015)
    • 発表場所
      ミュンヘン国際会議場(ドイツ)
    • 年月日
      2015-06-25 – 2015-06-25
    • 国際学会

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公開日: 2016-12-27  

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