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2016 年度 実績報告書

ホソヘリカメムシ共生器官で特異的に発現する遺伝子群の網羅的機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 14J03996
研究機関北海道大学

研究代表者

大林 翼  北海道大学, 農学院, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2014-04-25 – 2017-03-31
キーワード共生細菌 / ホソヘリカメムシ / Burkholderia / RNA-seq / システインリッチペプチド
研究実績の概要

ホソヘリカメムシは中腸後端の盲のうという部位にたった1種類のBurkholderia細菌を保持しているが、この特異的な共生関係を支える分子基盤は不明な点が多い。本研究では、盲のうで特異的に発現している“システインリッチペプチド”の腸内共生に果たす役割の解明を目指している。
研究3年目の今年度は、Burkholderia共生細菌の昆虫腸内への適応機構を総合的に理解するために、試験管培養時(in vitro)および昆虫腸内共生時(in vivo)の2種類の細菌細胞を用意し、共生に伴う細胞形態、生理状態および遺伝子発現の変化を網羅的に調査した。その結果、概ねその全体像を掴むことに成功し、システインリッチペプチドの腸内共生に果たす役割に迫ることができた。In vivoのBurkholderia共生細菌は、硫酸塩やアラントインなど宿主由来の老廃物を利用して活発に増殖し、LPS構造が欠損し各種ストレスに弱くなっていることが明らかになった。また、Burkholderia共生細菌は、他の昆虫の共生細菌で報告されているような必須アミノ酸・ビタミン類の生合成経路のin vivoでの高発現は見られなかった。先行研究ではカメムシ消化管M4B部において消化酵素の高発現が報告されており、この部位において共生細菌が消化されその栄養素がまるごと宿主カメムシに吸収されている可能性が考えられている。盲のう特異的システインリッチペプチドはBurkholderia共生細菌の細胞膜に作用し、Burkholderia共生細菌に対する抗菌活性を有していたことから、それらシステインリッチペプチドがin vivoのBurkholderia共生細菌にみられたLPS構造の変化やストレス感受性の向上を引き起こし、カメムシ消化管内での菌体消化の効率化に寄与している可能性が高いものと考えられる。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] フランス国立科学研究センター (CNRS)(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      フランス国立科学研究センター (CNRS)
  • [国際共同研究] 釜山大学(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      釜山大学
  • [雑誌論文] Gut symbiotic bacteria stimulate insect growth and egg production by modulating hexamerin and vitellogenin gene expression2017

    • 著者名/発表者名
      Lee JB, Park KE, Lee SA, Jang SH, Eo HJ, Jang HA, Kim CH, Ohbayashi T, Matsuura Y, Kikuchi Y, Futahashi R, Fukatsu T, and Lee BL
    • 雑誌名

      Developmental and comparative immunology

      巻: 69 ページ: 12-22

    • DOI

      10.1016/j.dci.2016.11.019

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] The stink bug-Burkholderia symbiosis as a model of insect-microbe interactions2016

    • 著者名/発表者名
      Tsubasa Ohbayashi, Teruo Sone, Yoshitomo Kikuchi
    • 学会等名
      Third Myanmar-Japan Symposium
    • 発表場所
      Pathein University(ミャンマー・パテイン)
    • 年月日
      2016-12-03 – 2016-12-04
  • [学会発表] カメムシとバークホルデリア細菌を結ぶ共生戦略とは2016

    • 著者名/発表者名
      大林翼, 菊池義智
    • 学会等名
      日本進化学会第18回大会
    • 発表場所
      東京工業大学(東京都・目黒区)
    • 年月日
      2016-08-25 – 2016-08-28
    • 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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